#3『ファーストリべリオン』:1
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。即刻決断でしたよ。私はこの方に忠誠を尽くそう、と心から思いました。あの方についていけば、確実に私の人生は面白さでバラ色になるとね。それに……」
そしてリビーラは、満面に笑みを浮かべて、続けた。
「《教会》のお偉い方に、毒を盛ってみたかったんですよ♪」
「……」
これである。この面が、メイがリビーラのことを忌避する数少ない側面である。リビーラ・ロイ・セイと言う、《魔王》の話によれば、『最初の周』からの仲間であるこの男は、あくなき『毒殺』への探求心と興味と愛好心をもち合わせているのだ。
趣味は毒殺、特技は毒殺、将来の夢は高位司祭の毒殺。そんな彼に、『今回の周』の《魔王》が付けた称号は、《毒殺神父》。ちなみに過去の周回のリビーラも、やはり毒殺に対する愛着心があったらしい、と言う話は、昨日本人から聞いた。
毒殺するときの、あの殺された相手から伝わる恐怖と絶望、そして息絶えた時の脱力感がたまらない。そうリビーラは言った。メイには到底理解できない事である。
メイが口を閉じていると、リビーラはふいっ、と前を向いて、歩き出してしまう。とりあえずリビーラについて、長い地下基地の道を進んでいく。機械文明と《ラグ・ナレク》前の旧世界調で言うのであれば中世風の様式が見事に調和した廊下の上には、クリスタルを使って作られたライトを包む、豪奢なシャンデリアが吊るされている。これを売り払ったら、どれだけの金になるのだろう……。
「ここにある物品を全て売り払ったり、ばらまいたりすれば、一時的には貧困は無くなるでしょう」
以前の様に、メイの考えを読んだかのようにリビーラが唐突に呟く。しかし、と彼は続けた。
「それだけでは、根本的な改善にはならない。《教会》の支配を抜け出せなければ、結局のところ、また貧民に戻るだけです。加えて、私達の目的は、結局のところ《教会》の討伐ではなく、その裏にいる《神》の抹殺ですからね」
「……」
《神》を抹殺し、その《神座》を奪い取る。そして、その《神座》とのつながりをたどり、全ての次元を支配する《本当の神》に進言する。『世界の崩壊』をやめろ、と。それが、《魔王》達の目的らしい。
《魔王》の言葉が真実ならば、『一周前の世界』のメイは、これとよく似たことを成し遂げ、本来ならば当時の《教皇》だけが生き残るはずだった世界の崩壊を、多くの人間が救われる権利を手にできるように改革したらしい。
それと同じことを、今回《魔王》は行うのだ。そのためには、まず《神座》に現在座っている《神》を討滅しなければならない。そしてその神は、《教会》に匿われているという。そのため、《魔王》達の行動は実質的に『《教会》
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