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銀色ランプの精は魔法が使えないっ!?
〜プロローグ〜嵐の前兆に誰も気づかない・・・。後編
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んでもお見通しな単なる学生の時風月架クン。これもお見通しかしら?」
そう楽しそうな声で彼女は服の中に隠していたであろう煙玉をおもむろに地面に叩きつける。
「しまっ!?」
瞬く間に視界が白い霧に包まれる。
迂闊だった。まさか自分で持っていた発煙筒を使ってくるとは。考えなかったわけじゃないがあまりにも単純だっただけに失念していた。
「また逢いましょう?坊や?また、近いうちに・・・」
そう怪盗メインが言い残す。徐々に足音が遠ざかる。追うことができないのが悔しいが動けないので仕方ない。むやに白い霧の中を動くのは得策ではない。
そして、煙を探知して煙探知機けたたましく鳴り響く。その音を聞いて警察が入り込む。怪盗の足音とは違う複数の人間の足音が徐々に大きくなる。
「おいっ月架!大丈夫かっ!!」
いち早く区画に入ってきたのは俺の親父だった。
振り回されてた割に意外とお早いご到着だった。
が、未だ煙玉の霧が晴れておらず、親父の探している必死な声だけが酷く煩く聞こえる。
「いるよ、すぐ近くに。そしてやられた。逃げられたよ」
ひとまずは安心の買うべく声をかける。ちなみに結月は怪盗と対峙してる間ずっと俺の裾を握ったままだった。なので引っ張られる感覚だけで何とも言えないがおそらくはそこにいるだろう。
「今はそれどころじゃない。お前がいるってことがわかればいい。怪我はないか?」
さすが父親、そのへん心配すんのは当たり前か。それには問題ないの一言を返答。
「そうか。で、一つ聞きたい」
少しずつモヤが晴れる。僅かではあるが親父の輪郭が見えてくる。そして後ろを振り向けば妹の輪郭も見える。ちゃんとそこにいたらしい。
「俺の足元にあるであろうガラスはなんだ?怪盗の仕業か?まさか怪盗が狙ってたのはそこにあったクロスダイアモンドなのか?」
そう、それはまさしくクロスダイアモンドを飾るのに使われていたショウケースのガラスだ。せっかくとっ捕まえる直前までやったんだ。ここは相手に罪をなすりつけておくか。意味不明な自己解釈してから口を開く。
「そうだよ。そのところで俺に見つかってな。向こうが動く前に俺がクロスダイアモンドを回収した。ちゃんとハンカチに包んであるから指紋一つない。んで、不利と見て煙玉で逃げた」
「そうか。てっきりおめぇがやったんじゃないかと思ったがそうでないならいい。ならこの霧が晴れたら一応主催者に渡しておけ。事情は俺から説明しとく」
こういう時だけ割と勘の鋭い親父。そのセリフに苦笑が漏れるが霧のおかげでばれずに済んだ。
そうしてその霧も晴れてくると、そこにいる親父と妹をこの目で確認。それから主催者に怪盗から盗られそうになったクロスダイアモンドを返す。
「よくわかったな。あの予告状にはそんなこと書いてないぞ?そもそも専門家ですら解読できなかった
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