第二章
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いるか」
「はい」
周吉は雷神の問いにこくりと頷いた。外では雨がまだ降り注いでいるが雷は止んでいる。それを鳴らす本人がここにいるからであろうか。
「落ちたんじゃよ」
雷神はバツの悪い顔でこう述べてきた。
「上からな」
「上からですか」
その顔で空を指差したその先を見上げて二人は言う。何かは無しを聞いただけではとても信じられないような話だった。嘘のような話としか思えない。
「そうなのじゃ、うっかり雲の上からな」
「それはまた厄介ですね」
「ううむ。こんなことははじめてじゃ」
周吉にそう答える。
「足を踏み外してまっ逆さまにな。痛いの何のじゃ」
「それでお怪我は」
「ああ、それはない」
おたみに述べる。
「わしは神様じゃからな。全く平気じゃ」
「平気ですか」
「死ぬことはない。絶対にな」
今度は大きく口を開いて笑う。その顔はかなり豪快で頼もしいものであった。その顔を見るとあまり怖そうには見えない。むしろ親しみすら感じるものであった。
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