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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第324話】
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タム。

 その衝撃でロッカーごと後ろに倒れ込む――ムラクモは、天狼を呼び出し。


「……覚悟は出来てる? ――少なくとも、貴女はヒルトを傷つけた……だから、聞かせてもらうわ――貴女の、心からの悲鳴をね」

「ひっ……!?」


 天狼の切っ先が砕けた装甲の隙間から覗き出る生身部分へと向けられ、絶対防御が発動するギリギリの所で止めた。

 小さく悲鳴を上げるオータム……すると――。


「や、やめてくれ! た、頼むから!」

「…………?」

「も、もうお前たちに刃向かうつもりはこれっぽっちもねぇ! た、頼むから……その刃を引っ込めてくれよ!」


 ……あろうことか、まるで命乞いをするかのような態度をとるオータムに、ムラクモは一瞬困惑した。


「あら? ……テロリストともあろう人が、まるで命乞いだなんて……。 誇りはないのかしら?」

「へ、へへ、へへへへ。 な、何なら組織の概要も言ってやるから」


 その姿は情けなく見える――先程まで、いきがっていたのが嘘の様に思えた。


「……お前、都合が良いとは思わないのか? お前がこれまで奪った人達も、こんな感じで命乞いをしたと思うんだが」


 そんな俺の指摘も、オータム自身の自分本意な言い分を続けていく。


「へへ、へへ、ま、魔が差したってやつだよ。 さっきのだって、私は上から言われてヤっただけで、本心じゃ嫌々だったんだぜ? へへ」

「――黙れ」

「う、恨むなら組織の上の人間だろ? わ、私なんか恨んでも――」

「黙れと言っている!」


 あまりの自分勝手な言い分に、俺の怒声が響き渡る。


「ひっ、ひぃ……!?」


 情けない声を出すオータム――ブラフかもしれない、油断は禁物だろう。


「そんな自分勝手な言い分、俺達には通用しないしさっきまでやっていた自分の行いは自分自身の責任だろ!? ……大人しく捕まって、絞首台にいけ。 それがお前の運命だ」

「い、嫌だ!? な、何で絞首台なんだよ!? ち、ちょっと魔が差してISを奪おうとしただけじゃないか!?」


 ……段々と苛々させるその態度に、哀れとすら感じさせた。


「……天狼の切っ先、放してやれ」

「……いいの、ヒルト?」

「……こんな奴、斬る価値も無いだろ? それに……洗いざらい吐いてもらわないといけないしな」


 そう言うと、天狼が粒子化し、虚空へと消えていく。

 ――と、その時。


「へへ……馬鹿が! 死ねッ!!」


 そう叫ぶと同時にもう一本のカタールを抜き、俺に強襲してくるオータム。

 さっきムラクモが言ってた……望めば、ムラクモはいつでも側にいる――と
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