6話
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その様子をアリカは無感情に見ていた。
「歩け!」
「触れるな、言わずとも歩く」
歩きながらアリカは過去を振り返っていた。
(冷たい王宮に生れ、それからは奪い奪わる日々だった・・・終着がここだというなら・・・それもいい。死が人々の安寧にとって意味のあること。・・・ただひとつ・・・心残り・・・ナギ・・・主らと過ごした戦いの日々はなぜか、暖かかった。亡き父王は人の生もこの世界も全て儚い夢に過ぎぬと・・・これもきっと悪い夢)
アリカはそのまま暗い闇えと落ちていった
(アリカ様ッ!)
その様子をクルトはただ見ることしか出来なかった
「クックッ・・・魔法も使えぬ谷底で幾百の肉片をなって魔獣の腹に収まれば・・・」
「よぉーっしこんなモンだろ♪」
アリカが谷底に落ちたのを確認した後、引き上げようとした時一人の兵士が威勢よく声をあげ周りに確認し始めた。
「撮れたか?これ生放送とかねぇよな?」
「無礼者!」
その兵士に向かって、偉いさんが声を荒げる。だが兵士はその偉いさんの頭を掴んだ。
「録画はここで終わりだ。今からここで起こる事は「なかった」ことになる」
その言葉と共に兵士の鎧が砕けた。砕けた鎧の中に居たのは
「せ、千の刃のジジャ・・ジャック・ラカン――!!」
ラカンの登場と共に青山詠春、アルビオン・イマ、ガトウ。<紅き翼>勢揃いである。二人を除いて。
「赤き翼!では谷底の女王は!?いや、いくら千の呪文の男と言えど・・・あの谷底では」
「バーカ、もう一人忘れんなよ」
(うむ・・・ここが地獄か?もっとお恐ろしいモノかと思うておったが・・)
「え・・」
アリカは気付けば魔獣等に食われておらず、ナギの腕に抱かれていた。
「ナ・・・ギ?えなぜお主が地獄に?」
「バーカ、あんたを助けに来たんだよ。アリカ」
「いくら主でも自殺行為じゃ!魔法の使えぬこの場所では、主も普通人じゃろ!!無謀にも程が有る」
「確かにな・・・でも俺一人じゃねぇぜ」
ナギの言葉が終わる直前。一匹の魔獣がナギに襲い掛かった。
「ッ!?ナギ!?」
「心配しらねぇよ」
魔獣が大きく口を開けたその口になんと大岩が突っ込んできた。
「ガァツ!?」
思わぬ攻撃に魔獣が声を漏らす。飛んできた方向を見てると谷の対岸からアレンが魔力で強化した体で岩を投げていた。
「あぁ!あんな良い雰囲気出しやがって!なんで俺がこんな対岸から岩投げないといけないんだよ!」
暴れるのはラカン達、アリカ姫の救出はもちろんナギ。ここで俺の出番が無くなった。暴れるのは幾らなんでもオーバーキルだ。と言うわけで俺はナギの補佐役に任命された訳だが、谷底では俺も魔法が使えない。ならば岩を投げたら良いんじゃね?なんて馬鹿筋肉
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