ルウム戦役編
アレン・マーチン〜偵察兵と恐怖心〜
前書き [2]次話
−あの日、私は偵察機である非武装タイプのセイバーフィッシュに乗って居ました……
まあ、前線に出てるのに武器ナシなんてのは、怖いなんてもんじゃぁ無いですね……あれは心臓に悪過ぎる……
あぁ、話が逸れましたな……
偵察に出て数十分でしたかな、観測員だった私は奇妙な物を見ました
今でこそ常識何でしょうけど、あの当時は人型兵器なんぞ信じられなかったのですよ
そして、驚愕と同時に恐怖が涌いてきたんです……
だって、10m以上もする一つ目巨人が高速で接近してくるんですよ、しかも武器を持って……
いつの間にやら通信は通じなくなっていたし、武器は無いし、機体をヤられたら拾われる可能性は低いし……
だから、逃げようとしたんです……
報告する必要もあったので正しいと言えば、正しい行動何でしょうけど……
ただ、反転が遅かった……
あの機体……ザクのマシンガンで一撃ですよ……
どこに当たったか判りませんでした、セイバーフィッシュのコクピットに当たらなかった事も、エンジン本体に当たらなかった事も幸運としか言えませんがね……
その後は宇宙遊泳ですよ……
助かる宛も無く、ノーマルスーツの生命維持装置だけが頼り……
救命ビーコンを出しましたが、如何せん戦闘中ですから……
ずっと遠くに見えるんですよね、艦や戦闘機の爆発した光が……
−えっ……そりゃ心細いですよ、仲間と離れ離れになって、宇宙で一人ってのは……
それからどうだったかな……
まだ生命維持装置のアラームは鳴ってなかったから、十数分後だったと思います
青いザクがサラミスを落とすのが見えたのは……
圧倒的でしたよ、あれは……戦闘と言うより一方的な蹂躙ですね、MSの有速と反応性能の高さに物言わせて、小回りの効かない戦艦は手も足も出ないって風でしたよ……
それから、更に幾らか時間が経ってから友軍のコロンブス級に拾われるまで、じっとしてましたよ……
何も出来ませんし、ただ浮いているだけでしたよ……
〜〜〜
これ以降、氏は話そうとせず『体調が悪くて』と言い取材を終えました……
それから2日後、脳溢血で他界、享年24であった……
談話 故アレン・マーチン氏(元連邦軍曹長)談
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