開戦
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響ちゃんほどではないわ」などといっていた。
すると、舞台のほうで動きがあり、一夏がここにいては死んでしまうと思ったのかセットの影へ逃げ出した。
その時、楯無と響は一夏が何者かに引っ張られ舞台から転げ落ちたように見えた。
「今のは……」
「うん。おそらく響きちゃんの予想通りだと思うわ」
「てぇことはヤッて来ていいわけだな?」
犬歯をギラリと光らせた響であるが、楯無はそれに静かに頷いた。それを確認した響は凶悪な笑みを浮かべたまま一夏を探しに駆けて行った。
「……さてと、私も準備しておこうかしら」
楯無も踵を返しアリーナの外へと出て行った。
一夏は舞台から引き摺り下ろされた後、自分を引き摺り下ろした人物が会談の踊り場で話した巻紙礼子だったということに気が付き、彼女に言われるまま舞台から逃げた。
そして、二人がたどり着いたのは更衣室だった。一夏は礼子に礼を言うが、彼女はニコニコとした表情を崩すことなく一夏に信じられないことを告げた。
「織斑さん、この機会ですから貴方の白式をいただけませんでしょうか?」
「は?」
一夏がそう反応した瞬間彼の腹に蹴りが叩き込まれた。
「いいからよこせつってんだろクソガキ」
相変わらずのスマイルで礼子は言うが、一夏は未だに状況が飲み込めていないようだ。しかし、そんな彼を尻目に礼子は彼の腹部に更に蹴りを叩き込む。
「おい、冗談とかドッキリとかでやってんじゃねぇんだよ。それぐらいわかんだろガキ」
彼女は笑顔をやめようとしているのか指で顔をマッサージしながら、さも当たり前であるように一夏に三撃目を叩き込もうとした。
しかし、一夏はその瞬間脳裏で「こいつは敵だ」とやっと理解し焦った様子で白式を展開した。
「やっと出しやがったかガキィ!! 待ちくたびれたぜ!!」
礼子は凶悪な表情を浮かべる。その顔に初めてあったときの優しさは微塵もなくまるで蛇に睨まれたような感覚が一夏を襲った。
「やっとコイツの出番だ……」
ニヤリと先程までとはまた違った笑みを浮かべる礼子の背中からスーツを突き破り、蜘蛛を思わせる脚が姿を現した。
「アンタ一体ッ!?」
「あぁ? 何だよしらねーのかよ。じゃあ特別に教えてやる。悪の組織の一人だバーカァ!!」
「ざけん――」
「ふざけてなんかいねぇよゴミが。『亡国機業』のオータム様だ!! 覚えろクソガキ!!」
礼子――オータムは完全にISを展開し終わり蜘蛛のような脚を一夏に向け、取り付けられた八門の砲門から一斉に実体弾を撃ちだした。
一夏はそれを横に飛んで回避し、オータムへと切りかかるがあっさりとそ
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