開戦
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女は「うっ……」と声を詰まらせた。その反応に響はジト目になると軽い威圧をかける。
シャルロットはそれに一歩後ずさると、目を泳がせながら白状した。
「……せ、生徒会長……」
シャルロットが言った瞬間、響はなんとも言えない表情を浮かべながら楯無へ連絡を取った。
『はいはいー? どうかしたの響ちゃん?』
「どうかしたじゃねぇ!! なに勝手に私のファンクラブなんぞ発足してやがる!! せめて私に了承を得やがれ!!」
『あらばれちゃった? でも響ちゃんも悪い気はしないでしょ、自分のことを好いてくれている人がいっぱいいて』
楯無はケタケタと笑いながら言っているが、響はそれどころではない。
「それどころじゃねぇ、画像掲示板って何のことだ!? まさか私の写真を……」
『モチのロン!! いろんな人たちが撮った響ちゃんのあられもない姿が投稿されてるのよーん』
「……もういい、何も言わない。閉鎖しろと言ってもどうせ閉鎖しなさそうだからもう諦める」
がっくりと肩を落としながら楯無との通話を断った響は自分にキラキラとした視線を送っている女子達に向き直り、大きく溜息をしながら問う。
「……まぁお前達がやりたいことは大体わかるから、何かご要望があれば言ってくれ……」
響の言葉に女子生徒は歓喜の咆哮を上げるが、響は魂が抜け落ちてしまったかのような表情をしていた。
その後、ファンクラブ所属の女子生徒達全員の要望に答え写真を撮ったり、お姫様抱っこをしたりなど色々がんばった響であった。
「あー……つ・か・れ・たッ!!!!」
全ての女子の要望を捌き終わり、椅子にげんなりとしながらもたれかかった。すると、それを心配してかセシリアがコップにお茶を注いで持ってきた。
「お疲れ様でしたわ響さん」
「ういー……。まったく馬鹿みてぇに騒ぎやがって……私なんかと写真とって何が楽しいんだかわかったもんじゃねぇな」
お茶を一気に飲み干した響は大きな溜息をついた。セシリアはそれに口元を押さえながらクスリと笑うと響の肩に手を置きながら告げた。
「皆さん響さんが格好良くて優しいから集まってきてくれるんですのよ」
「私は自分で自分の事が優しいとは思ってねぇけど。そういうもんなのかねぇ……」
「そうですわ。でなければあんなに皆さんが集まってくることもなかったからでしょうし」
セシリアの言葉に響は肩を竦めると、思い出したように立ち上がり教室を見回した。
……やっべ、一夏のヤロー見失った!
「響さん? どうかしたんですの?」
セシリアが問うて来るが、響は首を振ると教室を飛び出し楯無を呼び出した。
「楯無! わるい、一夏を見失った」
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