暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
20弾 理子の誘惑
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東京が強風に見舞われた週明け、一般科目の授業に出た俺の右隣は空席だった。
アリアは、学校を休んだらしい。
あの後――――アルタ前で泣き止んだアリアが「1人にして」と言ってきたので、俺たちは結局あそこで別れたままになっている。
あの日、俺は偶然見つけたアリアを尾けて、被害者の1人としてその母親に会いに行って……色んなことを知ってしまった。
知って、しまったのだ。
――――アリアの母親のかなえさんは、『武偵殺し』の容疑者として捕らえられている。
そして早くも二審まで、有罪判決を受けているのだ。
おそらく、下級裁隔意制度――――証拠が充分に揃っている事件について、高裁までを迅速に執り行い、裁判が遅滞しないようにする新制度――――を適用されたんだろう。
その高裁での量刑、なんと懲役864年。事実上の終身刑だ。
また、面会室でも会話から考えて、かなえさんの容疑は一連の『武偵殺し』による殺人事件以外にもあるようだ。アリアはそのすべてを冤罪と断じ、最高裁までに覆そうとしている。武偵として真犯人を見つけ出し、捕まえるという荒っぽいやり方で。
それと――――『パートナー』のこと。
アリアの実家こと『H』家は貴族の一門で、さらにあの名探偵の一族だ。どうやらその家の人間は
彼
(
か
)
の名探偵と同じく、誰か優秀な相棒と組むことでその能力を飛躍的に伸ばし、功績を成してきたらしい。
そのためアリアにも相棒を作ることが求められているのだが――――
アリアはそれを、見つけられずにいる。
そりゃあそうだろう。
あんな天才児に合わせられる相棒なんて、そうやすやすと見つけられるわけがない。アリアが『パートナー』を『ドレイ』と呼び換えていていたのも、相手に求める能力のハードルを言葉の上だけでも下げて、自分にかかる心理的な負担を軽減させようとしての事かもしれなかった。
アリアの家が『H』ということは当然、『医者で作家で探偵助手』であるあの一族もいるはずなのだが、アリアがあそこの人間と組んでいない以上、その手段はおそらく使えないのだろう。
そんなことをぼんやりと考えながら、自分の部屋でとあるものを修理していると――――携帯に、メールが来ていた。
理子からだ。
『ミーくん。授業が終わったら台場のクラブ・エステーラに来て。大事な話があるの』
普段の俺だったら、これは確定でスルーしていただろう。
そもそも女子からの誘いなんて何かの罠としか思えないし、理子の『大事な話』は大事だったためしがない。
だが、今回は……状況が状況なだけに、そうやすやすとスルーするわけにはいかない。
理子は先週のバスジャックに関連した情報を引き続き調べていて
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