暁～小説投稿ｻｲﾄ～:緋弾のアリアＧＳ　　Genius Scientist 20弾　理子の誘惑

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緋弾のアリアＧＳ　　Genius Scientist

イ・ウー編
武偵殺し
20弾　理子の誘惑
[6/7]

リア。『ブランクならあかりと戦って解消されたでしょ。それに、万が一ピンチになるようだったら――――あたしが守ってあげるわ。安心しなさい』優しい笑顔で、俺の背中を押してくれたアリア。『すぐに車内に隠れ――――後ろっ！伏せなさい！何やってんのっ！』俺を庇い、額から鮮血をほとばしらせて倒れ伏すアリア。『――――あんたじゃ、なかったんだわ』つらそうな顔をして、俺を突き放すように言ったアリア。『はぐっ！』俺のチョップを受けて、変な声を出して転んだアリア。『うあぁあああああああ……ママぁー……ママぁああああぁぁ……！』かなえさんのことを想って、泣き続けたアリア。

　そして最後に、先日かなえさんに言われた言葉を思い出す。

『ミズキさん。その子を……アリアを頼みます。意地っ張りで素直じゃないところもあるけど、根はとても優しい子だから。どうか、よろしくお願いします』

　俺は。

　俺は――――

「――――アリア」

　俺がそう呟くと、理子は軽く不機嫌な語調で、

「だぁーかぁーらぁー、アリアはもうイギリスに帰っちゃうんだって。もうミーくんは、アリアに付き合わされて、『武偵殺し』の捜査をしたりなんかしなくていいんだよ。ねぇ、早く理子といいことしよっ？」

　その瞬間。まるで電撃が走ったかのように、俺の中のいろいろなことがまとまる。

　今、聞き間違いじゃなければ、確かに理子は『　　　　』って言ったはずだ。そういえばさっきも……
「なあ理子。さっき金一が俺の兄だって言ったよな？」

「うん。言ったよ？」

　それがどうかした？とばかりに首をかしげて言う理子。

「何でだ？」

「何でって……何が？」

「何で金一が俺の兄だってわかったんだ？キンジなら名字が一緒だからわかるが、俺はただの一度も、俺に兄弟がいるなんて言ってないんだぞ？」

「……調べたからだよ。気になる人の事は調べるのは当然でしょ？」

　あくまで余裕たっぷりの態度で返す理子。だが、その返しは読めていた。

「そうか。なら、俺が遠山家に入る前にどこの家にいたかは調べたか？」

「……ううん。さすがにそこまで調べてないよ」

　――――嘘だ。理子は嘘を吐いている。だが、俺の前の家のことを調べていないというのは本当だろう。でも、それだと1つ、おかしいことがあるんだよ。

　『浦賀沖海難事故』。この事故の資料には、死亡者である金一と、その遺族である俺の個人情報も載っている。だから、そこには記載されているはずなのだ。俺の……旧姓のことが。だけど、理子はそれを知らないと言った。ということはつまり――――

「ミーくん？どしたの？」

　理子が俺の顔を覗き込んでいた。その顔には、純粋にぼーっとしていた俺を心配するような表情が浮かんで

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