暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
20弾 理子の誘惑
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と店の奥に進みだす。

 その姿を見た武偵校の女子たちが、ヒソヒソと語り合う。

「あれミズキじゃない?今度は理子ちゃんと一緒にいる」

「ミズキ君ってチビ専なのかな」

「大丈夫だって、安心しなよ。星伽さんもいるから、たぶん違うと思うよ」

 こらそこ。聞こえてるからな。二重三重に誤解するな。

 理子に押し込まれるようにして入った個室は、アール・ヌーボー調に飾り付けられた2人部屋だった。理子は俺をふかふかしたソファに着かせると、その童話のお姫様もしくは妖精みたいなスカートで真っ隣に座り、テーブルのモンブランと紅茶を示してウインクしてくる。

「呼び出しちゃったから、理子がぜーんぶおごったげる」

「メロンパンは無いのかこの店」

 理子の『全部おごる宣言』を聞いた瞬間、即答でメロンパンを要求した俺に理子は若干引きつつ、それでも笑顔で、

「無いよ?」

 と残酷に言い放った。

「でも、頼めば作ってくれるかも。頼む?」

「ぜひお願いします」

 やばい。店員さんを呼んでメロンパンを作ってくれるように頼んでる理子が天使に見えてきた。むしろもう女神レベル。俺の親友は女神だった。

 どうやら無事にメロンパンを作ってくれるように頼むことに成功した理子は、甘ったるそうなミルクティーをんくんく飲み、その大きな目でこっちを見つめ上げてきた。

「ぷは。ねぇミーくん、アリアと喧嘩したでしょ」

「そんなこと……別におまえには関係ないだろ」

「関係あるよぉ。ミーくんはアリアと仲良くしなきゃダメなんだから」

「なんでだよ」

「そうじゃないと理子が楽しくなーい」

 なんじゃそりゃ。わけわかんねえ。

 だが理子はモンブランにフォークをぐっさり刺し、にい、と笑う。

 本音、という顔だ。

「はいミーくん、あーんして」

 切り分けたモンブランを乗せたフォークを、俺の方に突き出してくる。

「するかバカ」

「――――『武偵殺し』――――」

 何かのカードを切るようにそう告げてきた理子に――――

 俺はやっと本題が始まるのかと安堵した。

「――――何か……わかったんだな?」

「あーんしてくれたら教えてあげる」

 死ぬほど恥ずかしかったが、背に腹は代えられない。

 俺は理子にモンブランを一口もらうと、さあ教えろと目で訴えた。

「くふ。あのね。警視庁の資料にあったんだけどね……過去、『武偵殺し』にやられた人って、バイクジャックとカージャックだけじゃないかもしれないんだって」

「……どういうことだ?」

「『可能性事件』っていうのがあるんだよ。事故ってことになってるけど、実際は『武偵殺し』の仕業で、隠蔽工作でわから
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