二回戦開始
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…ったく、口うるさい爺さんだこと」
最後は呟く様にして吐き捨て、アリーナに入って行く。転移が完了すると、そこには静けさだけが置いていかれていた。
「あれが、ダン・ブラックモアのサーヴァントか…………」
「ふむ。何処かランサーと同じような匂いがするな」
「どういうことだ?」
「気にすることではない。我々も行くとしよう」
アーチャーはアリーナに入っていき、俺も慌ててあとを追いかけた。
《二の月想海 第一層》
二回戦のアリーナ第一層は、外見的な変化は一回戦の時の使い回しのように色違いだけだ。転移の魔法陣から身を乗り出し進もうとすると
「ゴフッ」
吐血してしまった。すぐに身の回りを漂う違和感に気付く。目を凝らせば、辺り………いや、アリーナ全体に薄い紫色の霧で覆われていた。
「……アリーナ全体を範囲にした毒だな。奴らが宝具か何かを使い、私達が弱るのをどこからか見てるのか。それとも最初からアリーナ自体に設置されていた罠だろう。見たところ前者のようだが」
あのサーヴァントの仕業と見ていいだろう。しかし、弛緩性の毒じゃないのは不幸中の幸い、動けるのなら、この毒を解除することも出来る筈だ。
「このエリアを探せば起点はある筈だ。それを破壊する。そうすればこの毒も消えるだろう」
「そうなのか……よし、行こう!」
話しているだけでも毒は力を奪っていく。一刻も早く毒を解除するために走り出すが、直ぐに足が地面から離れた。
「激しく体を動かすな。サーヴァントならある程度大丈夫だが、貴様にはこの毒は負担がかかりすぎる」
「お前の言いたいことはわかるがこの格好やめてくれ!!」
俺の現在の状況。アーチャーの脇に抱えられている。恥ずかしい上に男としてすごく情けない。
「たわけ!私とてこんなことしたくないが仕方ないだろう。私も我慢しているのだ。貴様も我慢しろ!」
こいつの意見は正しいのが悔しい。くっそ。こんな格好遠坂やセイバーに見られたら一生の恥だ。先に進むと、当然のように鉢型や箱型のエネミーが出現する。
道中のそれらはアーチャーが滅しながらも、少しずつ毒に犯されていく俺はアーチャーに抱えられて進んでいく。
「あっ!あれだアーチャー」
「あれが起点のようだな」
しばらくして、辺りを漂う瘴気を生み出している一本の木がアリーナの行き止まりに立っているのが透けて見えた。
アーチャーが起点に近づいて行くと霧の色も濃くなり、毒も少しずつ強くなっていく。
(厄介な宝具だ………急がないとまずい)
俺と同じことを思ったのか、アーチャーも移動スピードを上げる。そして、起点の近くまでくると
「これはどういうことだ!」
ブラックモアがサーヴァ
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