二回戦開始
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は思えない突然の祝辞。
「あっ、いえ、そんな…………」
それに返すのを一度躊躇ったが、彼の言葉に皮肉や敵意は感じられなかった。心の底から俺に対して賞賛を送っている。
「ふむ……」
老騎士ダン・ブラックモアは俺を採点するように睨む、という程の鋭さはないが、かといって優しくもない、感情の篭らない眼差しで見てきた。俺を品定めしているといえばいいのかな?
「若いのに、良い目をしている。まだ、若いが実践経験を多くしたものがするような戦士の目だ」
「あ、ありがとうございます」
ついお礼を言ってしまう。俺の言葉に笑みを携えて、老人はその場から背を向ける。
「せっかくの一騎打ちだ。お互い良い戦いをしよう。では、失礼する」
それだけいうとダン・ブラックモアは立ち去った。 第一印象では平等な条件下での戦いを求めているような様子が取れる。
平等な条件か戦いを求めるなんて初めてだ。体験したほとんどの戦いは、平等とはかけ離れたものばかりだったからな………………。
相手が求めているものが自分の納得できるものなら少しでもそれに応えなければ。それが殺し合う相手に対する、最低限の礼儀。
歩いていく老騎士の姿を見送ると、アーチャーは実体化してつぶやくように感想を漏らす。
「どこかの兵士のようだ。かなりの手練れと見た。間違いなく初戦よりも強敵となるだろう」
「ああ、心してかからないとな」
珍しくアーチャーと気があった。前回とは違い、暗号鍵を集めるのも困難になるな。
「いや、あの老騎士から反逆の相が漂っておるぞ」
「「!?」」
突然の第三者もとい、赤セイバーの言葉に驚く。実体化していきなり何なんだろうか?
「いきなり何かね君は?」
俺と同じことを思ったのかアーチャーが尋ねた。
「うむ。簡単に説明するとあの男からは騎士を名乗るにふさわしい。余としてもサービスしすぎてはないかと思うほどの武人の心を感じた」
確かにそれは俺とアーチャーも感じたと思う。衰えの感じられないあの姿は、深い年輪を重ねた大樹を思わせる。
「しかし、先ほども申したがあの男の周りからは反逆の相が滲み出ている。警戒しておくのがよかろう」
「その根拠は何かな?」
「そんなの決まっておろう?」
赤セイバーは自分のアホ毛に指を差す。ちなみに白野曰く赤セイバーの可愛いチャームポイントらしい。
「余のくせっ毛が反応しておるからだ!」
アーチャーの言葉に赤セイバーは、胸を張り頭にあるアホ毛を揺らせ、堂々とした態度を取った。
「な、なるほど」
「…………………それはすごいな」
自分でもわかるくらい苦笑いをしている俺とこめかみを抑えつぶやくアーチャー。堂々とした態度に俺たちは言葉が
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