第五章
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る。そうしてそこに薬味やもやし、チャーシューが素早く入れられていく。
そして北海道側も。今それが完成した。
「舞!」
「兄ちゃん!」
兄妹で声を合わせこちらもラーメンを入れる。やはりこちらもそれぞれ薬味ともやしにチャーシューを入れていく。見れば同じ豚骨でも外見が微妙に違っていた。
「見比べてみるとわかるんですね」
「今わかったな」
「ええ」
委員長の言葉に頷くアナウンサーであった。
「何となくですけれど」
「何となくであればわかったな」
「はあ」
ここでもかなり強引な委員長であった。アナウンサーも頷くしかない。完全に彼のペースだ。
「まあ一応は」
「そしてだ」
「そして?」
「違いの次は甲乙だ」
つまり決着ということだった。
「どちらが上か」
「それがこの番組の本題ですけれど」
「人生は勝負なり!」
またこの委員長のペースになっていた。
「さあ諸君!」
「誰に言ってるんだろ」
「屋台の人達は作り終えたから視聴者じゃないのかな」
今の呼び掛けの意味はスタッフ達にはわからないものだった。
「今ここに!伝説の勝負が決まるのだ!」
「よっし!どっちが上か!」
「これではっきりするとよ!」
「北海道を制覇した俺達兄妹のラーメン!」
「絶対に負けないわよ!」
彼等は彼等で盛り上がっていた。その熱さの中で今審査が行われるのであった。
審査員達はそれぞれのラーメンを食べる。当然委員長も。雄大達も光達もどちらも自分達が勝利を掴むものと信じて疑ってはいなかった。
「勝つのは俺達だ」
「そうよ」
「おいどん等のラーメンは無敵ばい」
「そうたい」
それぞれそんな調子だ。そんな調子で判定を待っていた。そして今委員長が前に出てその判定を下すのであった。
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