壊滅のアマリリス
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るのは、ルーとアリエス、遠くで穴を掘るバルゴだけ。
「バルゴ?」
「・・・ルー様」
穴を掘るのを止め、バルゴは恭しくルーにお辞儀をする。
「何で穴掘ってるの?」
「・・・」
バルゴは答えなかった。
その無表情に、どこか辛そうな色が浮かぶ。
すると、別の声が聞こえてきた。
「ヴァニラさん達のお墓を創る為ですよ・・・MO簡単なモノですがね」
「タウロス!」
それは、木を抱えた金牛宮のタウロス。
アリエス、バルゴ、タウロス。
現在ルーシィと契約する3体の星霊は、ヴァニラの契約星霊でもあったのだ。
「・・・そっか、ありがとね。みんな」
寂しそうに微笑んで、ルーは辺りを見回す。
そして――――見つけた。
「・・・父さん」
自分と同じ、エメラルドグリーンの髪。
仰向けに倒れるエリアルドに歩み寄り、ルーはしゃがんだ。
その手には銃が握られている。
「あの、ルーさん」
「どうしたの?アリエス」
「この銃・・・」
アリエスもしゃがみ、エリアルドが握っている銃を手に取る。
そして、迷わず引き金を引いた。
「あっ」
アリエスの行動に小さく声を零すルー。
パン、と音が響き―――――
ルーは気づいた。
「え?」
銃口から放たれたのは―――――――BB弾。
「これって・・・まさか、玩具の銃?」
「みたいです・・・すみません」
「謝らなくていいって・・・にしても、どうして父さん・・・」
首を傾げるが、その答えはもう返ってこない。
答えを唯一知っている張本人に、答えは聞けない。
永遠の謎と化したエリアルドの行動に首を傾げながらも、ルーはその手に銃を戻した。
エリアルドから預かった銃も、腰のホルダーに戻そうとして―――――
「・・・やめた」
その動きを止めた。
代わりにエリアルドの腰のホルダーを外し、自分の腰へと装備する。
そこに預かった銃――――『タスラム』をしまった。
「ルー様?」
「これは父さんの形見としてもらっておこうと思って」
嬉しそうに、悲しそうに、ルーは銃を見つめる。
その時、アリエス達の体が光り出した。
「あ・・・お別れ、かな」
「はい・・・すみません」
「もー、アリエスってば最後まで謝らないでよ。最後くらい笑って?ね?」
「・・・はい」
いつもの癖で謝るアリエスに対し、腰に手を当てて軽く怒るルー。
その言葉にアリエスは少し驚いたように目を見開き、それからゆっくりと微笑んだ。
「ルー様、それでは」
「また会える日を、MO楽しみにしてます」
「うんっ!僕も楽しみだよ!だから―――――」
そして、ルーは微笑んだ。
明るく、ただただ明るく。
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