第一話
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ぶローブ。
顔が無く、中身は空洞だった。
『プレイヤーの諸君、私の世界にようこそ』
ローブが声を出した。
この異常事態について、何か説明があるにしては変だ。
『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロール出来る唯一の人間だ。』
茅場、晶彦。
ネットに詳しくない俺でも知っている、表舞台に出て来ない時の人である。
『プレイヤー諸君は、すでにメインメニュー画面からログアウトボタンが消滅していることに気付いていると思う。しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく、<ソード・アート・オンライン>本来の仕様である。』
仕様…最初から、ログアウトボタンは無かったというのか…?
『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的にログアウトすることはできない』
城とは、何だ?
この<はじまりの街>にそんなものは存在しない。
『…また、外部の人間の手による、ナーヴギアの停止あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合−』
わずかな間。
『ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる』
−俺は茅場の言うことが分からなかった。
いや、分かりたくなかった。
『−残念ながら、すでに二百十三名のプレイヤーが、アインクラッド及び現実世界からも永久退場している』
途中聞き逃してしまったが、一番重要なところは聞いた。
でも、何がなんだか分からなかった。
『諸君が、向こう側に置いてきた肉体の心配をする必要はない。現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアはこの状況を、多数の死者が出ていることも含め、繰り返し報道している。諸君のナーヴギアが強引に除装される危険はすでに低くなっていると言って良かろう。今後、諸君の現実の体は、ナーヴギアを装着したまま二時間の回線猶予時間のうちに病気その他の施設に搬送され、厳重な介護態勢のもとに置かれるはずだ。諸君には、安心して…ゲーム攻略に励んで欲しい』
「な……!?」
この状況でゲームを攻略しろだと?
「何を言っているんだ!ゲームを攻略しろだと!?ログアウト不能の状況で、呑気に遊べってのか!?」
誰かが声を張り上げた。
しかし、茅場の言葉は尚も続く。
『しかし、充分に留意してもらいたい。諸君にとって、<ソード・アート・オンライン>はすでにただのゲームではない。もう一つの現実と言うべき存在だ。…今後、ゲームにおいて、あらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントが0になった諸君のアバターは永遠に消滅し、同時に』
このゲームがもう一つの現実だと言うのなら。
『諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される』
…予想していたとはいえ…自分のヒットポイントが尽き
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