暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第一話
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「リンク・スタート」

現実世界のあらゆるノイズが遠ざかり視界は暗闇に包まれる。

その中心に広がる虹色のリングをくぐれば、そこは<剣が自分を象徴する世界>

<ソード・アート・オンライン>

「おお…」

第一層<はじまりの街>の中央広場に出て、その街の完成度の高さに感嘆の声があがる。

デジタル世界だと分かっていても、現実世界と錯覚してしまった。

「こいつは…ナイスな展開しゃないか。」

予想以上の出来につい、口癖が出る。
日本刀を持ったサムライ<ショウキ>は辺りをチラチラと見ながら歩き出した。

「しかし、本当に良く出来てるな。」

ネット初心者からしてみても、とても感動的な光景だった。
(とりあえず、アイテムでも買いに行くかね。)

自分とて、RPGの基本ぐらいは押さえているつもりだ。
まずはアイテムだろう。

ソード・アート・オンラインのサービスが開始されてかなり時間がたっている。
<はじまりの街>の中央広場にいるプレイヤーは俺のみであり、とりあえず回復アイテムを買いに店に向かった。


「ありがとうございました〜」

NPCの店員から、回復アイテム(ポーション)を買った。
NPCの出来も素晴らしく、一部一部に気を配っているようだった。

(さて、フィールドに出てみるか。)

回復アイテムを腰の小物入れに入れて、フィールドに出ようとしたその時。

時刻が五時半を回った。

直後。
世界はその有りようを、永久に変えた。
リンゴーン、リンゴーンという音が響く。

「これは−鐘の音?」

鐘の音が響くと同時に、<ショウキ>の身体を鮮やかなブルーな光の柱が包んだ。
(確かこの現象は、<転移>!?)

考えている間にも、<転移>は実行され、強制的に中央広場に飛ばされた。

「なんなんだ…?」

俺の疑問に答えてくれる者は当然いない。
だが、人はいた。
一万人近い人々が、俺と同じように転移してきたようだった。

「どうなってるの?」
「これでログアウトできるのか?」

「早くしてくれよ」
などの言葉が聞こえる…ん?ログアウト?

俺は嫌な予感がして、右手の指を二本揃えて真下に向けて振った。
こうすることで、メインメニューが開くのだ。

やはりというべきか。
メインメニューには、<ログアウト>のボタンが無かった。

つまりは−この世界から出られないということ−

周囲の人間よりいささか遅く異常事態に気づいた俺は、

「あっ…上を見ろ!!」

という声で反射的に顔を上に向けた。

そして、そこに異様な者がいた。
【Warning】
【SystemAnnouncement】
という単語と共に、上空に浮か
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ