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駄目親父としっかり娘の珍道中
番外ネタ その2  腹が減っても食う物は選べ!
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ルカの騎士だ。俺の味覚を分かってくれて嬉しいぜ。おかわりならたんまりあるぞ。お前等も遠慮せずガンガン食え!」

 そう言って、意気揚々と土方がまた持ってきた。しかも明らかに最初のより量が3倍近く増量されている。それを目の当たりにしたザフィーラは青ざめると言うよりも顔面蒼白の方が近かった。
 急いでこの場を離れなければ不味い。そう思い逃げようとしたが、そうはさせまいとばかりにシグナムに頭を抑えられてしまった。

「遠慮するな。折角の土方の好意を無駄にするか?」

 そして再び始まる地獄絵図。隊士達は同じ地獄に遭う位なら自ら地獄に落ちた方が良いとばかりに一斉に土方スペシャルを食った。急いで食い切った。味なんて気にしないで食い切った。
 後に残ったのは口の中に広がるマヨネーズの味とマヨネーズの香りとマヨネーズ(以下略)しか感じられなかった。
 



 初日の朝食でこんな目にあってしまったのだから、次はちゃんと吟味しなければならない。隊士達は祈る思いで次の選抜を決めた。
 その結果、次に決まったのは―――

「む、私か」

 あろうことか最初のあれで散々暴走したシグナムだった。隊士達の中で青ざめる者も居れば床を叩いて泣き喚く者も居るし、中には刀を抜いて腹を切ろうとする輩まで出る始末だった。

「まぁ、料理と言う輩は作った事はないが何とかしてみよう」

 そう言って厨房へと向う烈火の将。先の言葉が完全に決め手となり、隊士達はパニック状態に陥ってしまった。先の土方スペシャルよりも酷い物が出来る。彼等の研ぎ澄まされた感覚がそう告げていたのだ。
 隊士達の予想はある意味で当たってしまった。昼時となり、シグナムが作り、隊士達の前にそれを出した。皿の上に盛られたのは真っ黒に染まった意味不明の物体だった。

「おい、何だこれは?」

 流石に居た堪れなくなったのか、土方がこれを指差して尋ねる。

「見て分からないか? 【卵焼き】だ」
「これの何処が卵焼きだ! どっちかって言うとこれはもう卵焼きじゃなくて可愛そうな卵だろう! こんなの食える訳ないだろうが!」

 流石の土方もこれには激怒する。そして席を立とうとしたが、そんな土方の喉下にシグナムの刃が当てられる。
 ギョッとした土方が恐る恐る彼女を見ると、其処には朝食の時と同じように目の死んだシグナムが居た。

「土方、貴様先ほど言ったなぁ。飯を残したら士道不覚悟で切腹だと」
「い、嫌……そもそもこれは食える物じゃないし。第一これ食ったらマジで死ぬかも知れないしってんでそのぉ……」
「貴様も侍なら腹括れ! 今此処でこれを食すか? それとも私の介錯を受けて腹を切るか? さぁ、二つに一つだ!」
 
 どうやら、相当シグナムは根に持っていたようだ。何せ土方の補
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