暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺の評価は不良らしい
こうして彼と彼女は出会う
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     『高校生活を振り返って』

        2年F組逆巻拳斗



  『人は外見じゃない、中身だ』


そう言う言葉をよく聞くがそれは断じてない。人は多かれ少なかれまずは容姿で人物像を想像し、距離を推し量る。
それはイケメンでもブサイクでも、美人だろうが可愛いかろうが万人に等しく当てはまることだ。人ははそれぞれ主観を持っているのだからしょうがないことだろう。
しかし、その主観を共有する者達が徒党を組んで自己よりも高位の存在や脅威になる存在を排除しようとするのは間違いであり、それを許容してしまう世界も間違っているのだろう。
人より秀でる者や偽ることをしない正直者にはさぞ生きにくいだろう今のこの世界で、グレゴリウス一世が唱えた嫉妬、傲慢、怠惰、強欲、憤怒、色欲、暴食の七つの大罪は正しく人の本質を現したものであり、この上に生きていると言っても過言ではない。
弱いから群れを成し、一人では何も出来ないから拠り所を必要にする。
『一つの本物』より『たくさんのニセモノ』を選ぶ弱者を見ると、哀れでならない。
人を見る目を持たない者達に言おう。

人を外見で判断するんじゃねえ




ーーー
ーーーーー
私は盛大なため息を吐きながら目の前にいる男を見る。
身長は180p程で黒髪をオールバックにし、黒縁の眼鏡を掛ける目付きの鋭い。名前を逆巻拳斗という。



「なあ、逆巻。君は確かに外見は不良っぽく見える。だがこんな卑屈な文を書くことはないんじゃないか?」


「そうですね」


逆巻は男性特有の低い声で礼儀正しく相づちを打ち


「いざ課題を書こうとしたらホントに何も浮かばかったので本当のことを書いてしまいました」



苦笑しながら頭を掻く。
確かに逆巻は目付きが悪く、何度か喧嘩沙汰を起こしているがそれは全てが正当防衛で、彼には一つも落ち度はない。
むしろ学校での成績は優秀で振る舞いも模範生と言えるだろう。だが彼の鋭い目付きと喧嘩沙汰の噂で敬遠され、問題児扱いされている。


それはクラスの担任である私が見ていてよくわかる。私から言わせればこれと同じ課題にテロの犯行声明を書き上げる様なバカの方がよっぽど問題児だ



しかし、逆巻の状態をどうにかしなければならんな。
ふむ、彼女に頼んでみるか。お互い良い刺激を与えられるだろう



「君は君は部活はやってなかったな?」


「はい。やってませんよ」


「友達は?」


「そんなの・・・いる訳ないでしょ?」


当たり前のように苦笑して答える逆巻に若干の眩暈を覚えるが気を取り直して


「なら私が顧問する部活に入ってみないか?」



彼は不当な決めつけを嫌うから
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