こうして彼と彼女は出会う
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部活動の顧問をする訳がない。
「あなたはここが何をする部か気にならないの?」
雪ノ下さんは本に目を落としたまま尋ねてきた
「気にはなってますよ。情報が少なくて想像が付かないだけです。ただ解るのはここは文芸部や図書部と言った普通の文科系の部活動ではないということくらいですかね」
「驚いたわ。なかなか頭は切れるみたいね。噂とは大違い」
顔を上げて俺を見る
「噂? ああ、俺が不良って話しですか? 確かに何回か喧嘩はしたけど自分から仕掛けたことはないですよ?」
「参考までに何で喧嘩したのか教えてくれないかしら」
雪ノ下さんは興味を持ったのか本を閉じてこちらに体を向けた
「う〜ん、大して面白くもないですよ?」
「構わないわ。私が興味があるのだからちゃんと聞くわ」
そこまで言われたら少し話してみようか
「まあ、向こうから絡んできて返り討ち五回、そのお礼参りで返り討ちが二回。ナンパされた女の子を助けたのが一回、バイク盗まれ掛けて喧嘩になったのが四回・・・みたいな感じですかね」
「確かに自分から仕掛けたものはないわね。だけどお礼参りは当然一度目より人数が多かったんでしょう? どうやって乗り切ったの?」
「勿論正面突破です」
何を当たり前のことを
「逃げるとか、助けを求めるとかは考えなかったの?」
「逃げるのは論外で、助けを呼ぶより自分で片付ける方が楽だったもので・・・何より向かって来る相手は正面から叩き潰す主義なんです」
「呆れた・・・そんなに腕に覚えがあるのかしら? それは時と場合によるでしょう?」
雪ノ下さんは馬鹿を見る様な目で俺を見る。うん、わかってたけど俺も大概おかしいんだよな
「まあ、あなたが喧嘩に自信があるってことは理解したわ。それにその力を私利私欲に使っていないということも。平塚先生の態度とあなたの話しをきいて噂が間違っていることが分かったわ」
「ありがとうございます。ちゃんと話を聞いてくれる人って先生以外で初めてです。雪ノ下さんって良い人ですね」
感動したよ。ちゃんと話しを聞いてくれた上に、俺のことを不良じゃないと判断してくれた。ここ数年で一番嬉しいかもしれない
「そ、そう? ところであなたはどうするつもりなのかしら?」
「どうって・・・まあ、迷惑でなければ入部してもいいと思っていま・・・・・って結局ここは何部なんですか?」
「あら? そう言えばあなたの噂話でここが何部なのかという問題が残ってたわね」
忘れてたんだ。
まあ、これまでの情報をまとめると
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