こうして彼と彼女は出会う
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頭越しの勧誘は逆効果だ。だから、あくまで提案という形で尋ねる。
「平塚先生が顧問する部活ですか?」
彼はしばらく考え込んでから一つ頷き
「どんな活動をする部活によりますが・・・平塚先生が顧問する部活動には興味があるので一応見学だけさせて下さい」
予想外だ。こんな簡単に話を受け入れるなんて・・・。
「まあ、興味があるのなら着いてきたまえ」
私は立ち上がって特別棟に向かった
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ーーー
ーーーーー
全く、めんどくさいことになったな。
ホントなら早く家に帰ってゆっくりしたいんだけど、俺は去年鹿児島から千葉に来たばかりの時に平塚先生には色々と世話になったから渋々着いていく。
俺が通う千葉市立総武高校の校舎は少し歪な形をしている。
道路側に教室棟があり、向かい合うように特別棟がある。それぞれ二階に渡り廊下があり、繋げると漢字の口、カタカナで言えばロの様な四角形を形成する。
で、この四角形に囲まれた中庭があり、幾人かの生徒達が放課後にも関わらず談笑していた。それはカップルであったり、仲良しグループであったり目的は様々だ。特別棟に向かうために二階にある渡り廊下からその様子を一瞥する
渡り廊下を過ぎたあたりで平塚先生は唐突に口を開き
「今から君が会う子はある意味君に似ている。それに・・・・・いや、これはやめておこう。実際に会ってみて君自身で判断してみたまえ」
「はい。どういう人なのかは解りませんけどそうさせてもらいます」
平塚先生の後を着いて行く内に何の変哲もない教室の前に辿り着いた。
「着いたぞ。ここが部室だ」
そう言い無造作に戸を開けた
「ノックくらいしましょうよ」
若干先生に呆れながら教室を眺める。教室の後ろには机や椅子が無造作に積み上げられているので恐らく空き教室をそのまま部室として使用しているのだろう。
部屋にいるのはたった一人の少女だった。
日の光が射す中で読書する彼女はまるで絵画のモデルで俺は素直に美しいと思った。
端正な顔立ち、流れる黒髪。先ほど中庭で見た女子達も同じ制服を着ているが全くの別物に見える上品さを備えたなかなかお目に掛かることの出来ない美少女だった。なんかどこかで見たことがあるようなないような・・・有名な人だったけどなんて名前だっけ?
「平塚先生。入るときはノックを、とお願いしていたはずですが」
「ノックをしても君は返事をした試しがないじゃないか」
「返事をする間もなく、先生が入ってくるんですよ。ところで今日の依頼は逆巻拳斗君なんですか?」
平塚先生に不満気な視
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