第6章:女の決意・男の勘違い
第32話:頭で解っていても、心は複雑……
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「ふざけんなよ……何で僕だけが……」
「勿論リュカさんだけではありません! 母親のビアンカさんも、腹違いとは言え姉妹のリューノ・リューラも、惚れたという弱みを持ってる俺も一緒に責任をとります!」
そこまで言い終えると俺は、リュカさん以外の家族をシン君達の方へ集め家長を孤立させた。
「あれ、お前……口が巧いね。どうした、昔はもっと素直な良い子だったのに?」
「はい。尊敬するお義父さんに鍛えられましたから!」
リュカさん以外の皆が世界を救うムードになっている。
すると一人がリュカさんに近付き、深々と頭を下げて懇願し始めた!
「リュカさんお願いします! シンは見ての通り勇者としては未熟者です……彼だけでは、世界を救ったとしても命を落としかねない! 折角蘇ったのに、私は孤独を味わうかもしれません……どうかリュカさんの様な頼りになる方のサポートを、未熟なシンに与えたやって下さい!」
服装と耳の長さ以外では全くビアンカさんと区別の付かないシンシアさんが、涙ながらに訴える。
「ちょ……な、泣かないで!! お願い、一緒に行くから! お願いだから、その顔で泣かないでよ! だ、誰だよ……この娘にこんな事させたのは!? ぶっ殺すぞコノヤロー!」
誰も何もさせてない。きっとこれまでの流れで察し、シンシアさんが自ら動いたのだと思う。
「言質とりましたぁ〜!」
サッと涙を拭うと、右腕を高らかと掲げ明るい笑顔で勝利宣言をするシンシアさん。
やるなぁ〜……
ウルフSIDE END
(天空城)
ブライSIDE
シンの彼女というから、もっとお淑やかな女を想像してたが、随分とアクティブな女の様じゃ。女の涙……特に嫁の涙に弱いと見抜くなんて、感服の極み!
「ズルイ……ズルいよみんな……大体さぁ勇者が弱いって如何な物なのさ!?」
「何を言いますお義父上! 以前貴方が仰ってたではないですか……勇者は何でも出来る反面、一人では何も出来ない存在だと! 勇者を中心に猛者が集まり結束する。その猛者の一人であるリュカさんを最大限に利用するのは、団体行動として至極当然の事!」
弱った獲物は見逃さないとばかりに、ウルフがリュカを追い詰めて行く。
どうやら以前に格好を付けて言ったのだろう。
何も言い返せなくなり、ただ頬を膨らませ不機嫌そうにするリュカ……
偶には奴もそんな目に遭って良いじゃろう!
「安心せよ。私からも強力な助っ人を出すぞ。ルーシア、ドランを呼んできなさい!」
「は、はいマスタードラゴン様!」
リュカを中心にウルフ・シン・シンシアがコントを繰り広げていると、マスタードラゴン様から助っ人を派遣すると仰ってくれた。
「はぁ? 助っ人を出すくらいなら、全知全能なる神様のお前が一緒に来い!
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