暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
19弾 雨と涙と
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てきてるのよ。ってことは、もうすぐシッポを出すはずだわ。だからあたし、狙い通りまずは『武偵殺し』を捕まえる。奴の件だけでも無実を証明すれば、ママの懲役864年が一気に742年まで減刑されるわ。最高裁までの間に、他も絶対、全部何とかするから」

 ――――アリアの言葉に、俺は目を丸くした。

「そして、ママをスケープゴートにしたイ・ウーの連中を、全員ここにぶち込んでやるわ」

「アリア。気持ちは嬉しいけど、イ・ウーに挑むのはまだ早いわ――――『パートナー』は見つかったの?」

「それは……どうしても見つからないの。誰も、あたしには、ついてこれなくて……」

「ダメよ、アリア。あなたの才能は、遺伝性のもの。でも、あなたには一族の良くない一面――――プライドが高くて子供っぽい、その性格も遺伝してしまっているのよ。そのままでは、あなたは自分の能力の半分も発揮できないわ。

 あなたには、あなたを理解し、あなたと世間を繋ぐ橋渡しになれるようなパートナーが必要なの。適切なパートナーは、あなたの能力を何倍にも引き伸ばしてくれる――――曾お爺様にも、お祖母様にも、優秀なパートナーがいらっしゃったでしょう?」

「……それは、ロンドンで耳にタコができるぐらい聞かされたわよ。いつまでもパートナーが作れないし、才能だって一番大切なところだけ遺伝していないから、欠陥品とまで言われて……でも……」

「人生は、ゆっくりと歩みなさい。速く走る子は、転ぶものよ」

 かなえさんはそう言うと、長い睫毛の目をゆっくりまばたかせた。

「神崎。時間だ」

 壁際に立っていた管理官が、壁の時計を見ながら告げる。

「ママ、待ってて。必ず公判までに真犯人を全部捕まえるから」

「焦ってはダメよアリア。わたしはあなたが心配なの。1人で先走ってはいけないわ」

「やだ!あたしはすぐにでもママを助けたいの!」

「アリア。わたしの最高裁は、弁護士先生が一生懸命引き延ばしてくれてるわ。だからあなたは落ち着いて、まずはパートナーをきちんと見つけ出しなさい。その額の傷は、あなたがもう自分1人では対応しきれない危険に踏み込んでいる証拠よ」

 アリアが前髪で隠していた傷とテーピングにはとっくに気付いていたらしく、かなえさんがアリアを叱る。

「やだやだやだ!」

「アリア……!」

「時間だ!」

 興奮するアリアを(なだ)めようとアクリル板に身を乗り出したかなえさんを、管理人が羽交い締めにするような形で引っ張り戻した。

 あっ、とかなえさんが小さく喘ぐ。

「やめろっ!ママに乱暴するな!」

 アリアはまるで小さな猛獣のように犬歯をむき、赤紫色(カメリア)の目を激昂させてアクリル板に飛びかかった。

 だが、板
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