1話 『4人の目醒め』
[2]次話
「でも……、わたしはあなたを知ってる。シーフのランク、でしょ?」
「あぁ、オレも知ってるぜ。オマエは白魔のシファ、だろ? ンで、そこのチビは黒魔のビル……。ンでもってアンタは、赤魔の────」
「マゥスンさん、でスよねっ」
「 ………、そうだ」
「それであの、どうしてこんな所にいるんでスかね、ボク達?」
「しかもオレら、なンでパーティー組んだかも覚えがねェぞッ」
「 …………… 」
平原の只中に、4人の若者が互いに向かい合い、立ち尽くしている。
1人は、先端が渦巻いた木製の杖を両手持ちにしている、赤いギザ縁のフード付き白のローブを身につけた肩程の長さの黄髪で、まだどこか幼い顔立ちのエメラルド色の瞳の少女。
2人目は、腰に備えた二本の短刀に黄緑色の軽装で頭部にはバンダナ、そこからツンツンはみ出している茶髪とイタズラっぽいサファイア色の目をした、少々ガキっぽい青年。
3人目、先端に魔石を備えたロッドを手に、紺のローブを顔半分以上まで身に纏って素性の知れぬ闇と化したとんがり帽子からのぞく、二つの黄色い眼をらんらんとさせている背の低い子供らしき男の子。
4人目……、全身赤色に統一されたマント姿で、目深に被った白い羽付き帽子の端からのぞく白銀の長髪。腰の脇にはレイピアを備え、他3人の中では歳上と思われるが口数は少なく、性別の判断をし兼ねる高貴さ漂う青年。
4人は互いの事を見知ってはいたが、何故共にいるのか、どうしてこの場所に居るのかが判らない。
「ねぇ……、みんな? こんな平原にいても仕方ないし、……ほら! この丘からちょうど向こうに城下町が見えるでしょ? とりあえずあそこに行ってみて、どこか落ち着ける場所で話そう?」
「それも……、そうだな?」
「でス……、ね?」
「 ………異存ない」
白魔道士の少女、シファの提案に同意を示した他3人は、共に丘を下ってその場所へ向かった。
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