合宿編
十一話
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世主。苦を渡して楽だけ貰い、自由放浪を優雅できる日々を取り戻すのだ!
終に肩まで組み始めた二人へ、暑苦しいとルーテシアが水を差す。
「男同士の友情確認は、とりあえず其処までにしたら?」
我に返り見回すと、多種多様な表情だが、一様に言葉が出ない面々の顔が並んでいた。
エリオを知る者は始めて見る狂喜ぶりに驚き、アレクを知る者も珍しい燥ぎっぷりに目を丸くしていた。
そして両方を知るティアナはため息交じりに、エリオが毒されなければいいけど、と呟いた。
「大人組は着替えてアスレチック前に集合ね!」
なのはの音頭に大人組は頭を切り替え、訓練を行えるべく動き出す。
これより始まるのは基礎訓練。午前中は全てそれに割り振られている。
「じゃあ子供組は水着に着替えてロッジ裏に集合な」
対し子供組は旅行も兼ねているので、ノーヴェは遊ばせようと指示を飛ばす。
だが、アレクとアインハルトは水着の用意なんてしていない。どうする、と顔を合わせているとルーテシアが声を掛けた。
「アインハルトには私のを貸してあげる。お古だけどいい?」
「は、はい……」
女性の密度が多いので何かと融通は利きやすいが、それは飽くまで女性のみ。
じゃあ俺は大人組に混ざってみようかね、とアレクは避雷針エリオの後を追おうとするが、肩を叩かれた。
振り返ると、とても意地悪い笑みがあった。
「アレクも私のを貸してあげよっか?」
◆ ◇ ◆
「俺さ、エリオはスゲー苦労してると思うんだ」
「はあ……」
何を突然、と思いながらアインハルトはそれと無くアレクに相槌を打つ。
二人の格好は水着で、アインハルトは当然ながら女物である。そして、アレクは予想外に男物であった。
エリオのお古らしいが、何故ルーテシアが持ってるのだろうか。知りたいような、知りたくないような。
変な事で悩んでいると、ヴィヴィオの呼ぶ声が聞こえた。
「早く来てくださーい!」
「ほら、呼んでるぞ」
「ノーヴェさん、私は練習を……」
「まあ準備運動だと思ってくれよ。チビ達の遊びは中々ハードだからな」
「そうそう、水着に着替えおいて何言ってんだか」
「アレク、それはお前にも言えることだ。ほら、行ってこい」
「はい……」
「へ〜い」
ノーヴェに促され、二人は渋々といった感じでパーカーを脱ぎ川へ入っていく。
その際にアレクはアインハルトの胸部水着を見て、ふと思った。コレ、ズレ落ちるんじゃないか、と。次いで、引っ掛かるにはどうも大きさが足りてないような、とも。
だが、少しばかり長く見てた為、若干怒気を含んだ視線に刺されていた事に気付く。
「何か、言いたい事でもあるのですか?」
「いや、別に?」
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