第五話 二人目の持ち主その五
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「誰かの目があるから」
「そこから寮に話が入りますから」
それでだというのだ。
「隠すことは至難の技よ」
「まず無理ですから」
「そうか、寮生はそうしたところが大変なんだな」
「失恋して学校から寮に逃げ帰って大泣きした娘もいるから」
「そうした時も大騒動になるんですよ」
こうしたこともだ、二人は薊に話した。
「本当にね、その辺りはね」
「ややこしいんですよ」
「そうか、けれど普通科はそうで」
今度はだ、薊はこのことについて言及した。学科のことだ。
「商業科とかは違うんだな」
「商業科はね、少ない男の子を取り合う世界だから」
「あそこはサバイバルですよ」
そこが普通科と違うというのだ。
「普通科は別に彼氏いなくてもいいけれど」
「商業科はそれが普通ですから」
彼氏がいることがだというのだ。
「もう少ない男の子を巡ってね」
「そうした世界ですから」
「もう大変なのよ」
「ですから彼氏がいることは」
そこは普通だというのだ。
「あそこはね、本当に」
「壮絶ですから」
「そうか、商業科って怖いな」
薊は商業科のそうした話を聞いて腕を組みしみじみと言った。
「修羅場なんだな」
「そうよ、あと工業科はそれが男女逆になるから」
「あっちは男塾ですから」
伝説の奇人変人で笑わせる格闘ギャグ漫画の名前が出た、死んでも生き返るどころか真っ二つになった人間が海に落ちても生き返ったことがあった。
「少ない女の子の取り合いよ」
「修羅の国なんですよ」
「怖いな、おい」
普通科しか知らない薊はこう言うのだった。
「というか商業科と工業科で付き合ったらどうだよ」
「そうした人も多いわよ」
「お互いの利益がつながるからね」
この辺りは自然になるというのだ。
「あと農業科は一緒に作業をしているうちに親密になるから」
「水産科とかもそうです」
「看護科は自然に声がかかって」
「それで普通科はなんですよ」
あぶれるというのだ、まさに。
「彼氏は出来ないのよ」
「ナチュラルに」
「普通科が一番多いんだよな」
殆どの学園でそうなっていることをだ、薊は話した。
「それでもかよ」
「そうよ、まあ商業科でも彼氏いない人もいるけれど」
「それでもです」
「普通科はどうもね」
「彼氏いないんですよ」
「そうか、まああたしは別にいいけれどさ」
男女交際には興味のない薊はだというのだ。
「そういうことは」
「じゃあ部活に青春を捧げるのね」
「そっちですね」
「あと友達と寮生活か」
薊はこう二人に返した。
「そっちになるよな、やっぱり」
「そうなのね、じゃあこれからもね」
「楽しくやりましょうね」
おそらく薊と同じく彼氏がいないであろう二人も応えた、この様に
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