第五話 二人目の持ち主その二
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「トイレにも起きないな」
「本当にぐっすりとなんですね」
「そうなんだよ、自分でも有り難い体質だと思ってるよ」
「多分いつも身体を動かしてるからよね」
朱美は何故薊が一旦寝ると朝まで起きないのか、その理由をこのことから推察した。いつも身体を動かして疲れているからだというのだ。
「適度な疲労はよく寝られる素よ」
「そうなんだな」
「そう、もっとも薊ちゃんはね」
彼女の場合はというと。
「適度じゃないけれど」
「先輩凄いカロリー消費してますからね」
伸子もこのことを言う。
「拳法にモトクロスに」
「どっちの部活もな」
「ランニングとかサーキットトレーニングもされてますよね」
「毎日な」
「ですから」
それでだというのだ。
「先輩の場合は適度じゃないです」
「アスリート並よね」
朱美は薊のカロリー消費の度合いをそのレベルだと言った。
「もう」
「そうですよね」
「だから余計によね」
「よく寝られるんですね」
「だろうな、昔から身体動かしたしな」
そしてだというのだ。
「男女だの間違って女に生まれただのジャジャ馬だの言われてたよ」
「何か無茶苦茶言われてたのね」
「間違って、って」
「まあ実際胸はないしさ」
笑って言う、胡座で紅茶を飲みつつ。三人jで車座になって飲んでいるが後の二人は女の子座りで座布団の上にいる。
「喋り方だってこうだしな」
「言われても気にしなかったの」
「そうだったんですか」
「いや、ガキの頃は気にしててさ」
それでだというのだ。
「言った奴を追っかけて殴ってたよ」
「それがかえってよくなかったわね」
朱美はその話を聞いて真顔でこう言った。
「どう考えても」
「私もそう思います」
朱美に続いて伸子も言ってきた。
「そこで無視したらね」
「言われなかったと思いますよ」
「そうなんだな、まあ今は言われても気にしないけれどな」
子供の頃の薊はというのだ。
「ガキの頃はさ」
「まあ子供の頃はね」
朱美は薊の言葉に微笑んで返した。
「そうしたことって無視出来ないのよね」
「今は平気だけれどさ」
「平気っていいますか」
ここでだ、伸子がこう薊に言った。
「先輩可愛いですよ」
「えっ、あたしが!?」
「はい、ボーイッシュな感じで」
「それが男女じゃねえのかよ」
「ボーイッシュと男女は違いますよ」
また別だとだ、このことは言う伸子だった。
「そこは」
「違うのかよ」
「はい、男女はもうガチムキの筋肉の人じゃないんですか?」
伸子は薊に自分が考える男女のイメージを話した。
「ボディービルダーみたいな外見で大柄で」
「何か漫画に出てるみたいなか」
「それか一人称が俺で尚且つ喋り方が完全に男で」
「あた
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