第五話 二人目の持ち主その一
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第五話 二人目の持ち主
薊は蠍怪人との闘いの後数日の間何の変哲もない平和な学園生活を送っていた。寮の同じ部屋の朱美と伸子とも仲良くやっていた。
この日の夜薊はその部屋の中で自習時間の後で二人と紅茶を飲みながら話していた。伸子が二人に淹れた紅茶だ。
伸子は白いティーカップの中の紅の茶を飲みつつ二人に笑顔で言ってきた。
「やっぱり夜はこれですよね」
「紅茶っていうのね」
「これなんだな」
「はい、私お茶が好きで」
それでだとだ、伸子は二人に話す。
「そうしてるんです」
「毎晩飲んでるわよね」
朱美も紅茶を飲んでいる、そのうえでにこりと笑って伸子に言うのだった。
「竹達さんは」
「そうなんです、好きなんで」
「本当に紅茶好きなのね」
「元々お茶が好きで」
それでだというのだ。
「よく飲んでるんですけれど」
「特に紅茶がなのね」
「はい、一番好きです」
お茶の中でもだというのだ。
「ですから飲んでます」
「そうなのね」
「はい、飲むと身体が温まって」
勿論伸子も飲んでいる、そのうえでにこりと笑って話すのだった。
「ぐっすり寝られますし」
「あれっ、けれどお茶ってカフェインが入ってるだろ」
薊も紅茶を飲んでいる、そのうえで伸子にこう返した。
「かえって目が覚めないか?」
「私コーヒーならそうなりますけれど」
「紅茶ならか」
「コーヒーよりカフェインが少ないということはないですよね」
「濃いとな」
お茶が濃ければ濃い程だ、カフェインもなのだ。
「やっぱり目が覚めるよ」
「ですよね、けれど私は」
「お茶ならか」
「はい、目がそれ程覚めないんです」
そうだというのだ。
「ですから飲んでます、毎晩」
「そうしてぐっすり寝てるんだな」
「やっぱりよく寝ないと」
そうしなければとだ、伸子は睡眠時間の話もした。
「身体によくないですから」
「あたしベッドの中に入ったらすぐに寝られるけれどな」
「そういえばそうよね」
朱美もここで薊の言葉を聞いて頷いてから言った。
「薊ちゃんベッドの中に入ったらすぐに寝ちゃうわよね」
「そうなんだよ、子供の頃からな」
「あとは朝までぐっすりで」
「そういう体質なんだよ、寝ようって思えばな」
「すぐになのね」
「ぐっすりと寝られるんだよ」
薊は笑って述べる。
「コーヒー飲んでもな」
「それは凄いですね」
伸子は薊のその話を聞いて少し信じられないといった顔になってそのうえで薊に対して言った。
「コーヒー飲んでもですか」
「ああ、寝ようって思えばな」
それこそベッドに入ればというのだ。
「すぐに寝られるんだよ」
「それも朝までですね」
「一旦寝るとさ」
夜に
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