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ヘタリア大帝国
TURN143 ラストバトルその九

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「決戦の場にな」
「それでは」
「それでなのだが」
 日本に言ってからだ、柴神はモニターから田中の乗艦にいる平賀に問うた。その問いはというと。
「貴殿まで来るとはな」
「外相に我が儘を言って来させてもらった」
 もうすぐ自分の夫になる宇垣にというのだ。
「絶対に帰って来ると言ってな」
「それでか」
「そういうことだ、そして艦名だな」
「それも聞きたかった」
 柴神はまさにだとだ、平賀に答えた。
「三隻の潜水艦の名は何というのだ」
「まずはビスマルクだ」
 エルミーの乗艦を見ながらの言葉である。
「エルミー提督の乗艦はな」
「ドクツを築き上げた鉄血宰相か」
「その名前にした」
「そうか、その名前はか」
「提督自ら名付けた」
 ファルケーゼでなくだ、それにしたというのだ。
「その名がいいと言ってな」
「成程な」
「ミーリャ首相の乗艦はボレイという」
 今度はミーリャの乗艦の名前だった。
「その名だ」
「それもミーリャ首相が名付けたか」
「うむ」
 その通りだというのだ。
「そうした」
「まさかカテーリン書記長を助けに来るとはな」
「友情故だ」
 カテーリンとのそれ故にだというのだ。
「エルミー提督の忠誠心と同じだ」
「心か」
「心があるからこそだ」
 ここまで来たというのだ。
「それは田中副長官も同じだ」
「田中元帥が来たかったことは察していたが」
「しかしだな」
「来られるとは思っていなかった」
「私ももう少し戦力が必要だと思ってだ」
 それで三隻の潜水艦を用意したというのだ。
「田中副長官の意も入れてな」
「ではその乗艦の名は何という」
「黒潮だ」 
 それが彼の乗艦の名だというのだ。
「伊号ではないからな」
「黒潮か」
「いい名だと思うがどうか」
「田中元帥が付けた名だな」
「そうだ」
 あの艦も指揮する提督自らがそうしたというのだ。
「それがあの三隻の超潜水艦だ」
「わかった、ではだ」
「彼等と共にだな」
「女王を倒す、いいな」
 こう話してそしてであった。
 連合艦隊は星域を幾つか越えていった、そしてだった。
 遂に巣の前の星域まで来た、そこに入ってであった。
 柴神は緊張している顔でだ、こう一同に言った。
「ではだ」
「今からですね」
「そうだ、女王のいる巣に入る」
 まさにラムダス達の本拠地にだというのだ。
「いいな」
「はい、それでは」
 東郷も確かな顔で答える。
「今から」
「いいか、次の戦いでだ」
 柴神はその緊張と共に東郷だけでなく連合艦隊に参加している全ての者に対して告げた。
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