第55話 幾ら時が経とうと会いたくない奴に会うとテンションが下がる
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きまで体から湧き上がっていた高揚感も冷め切ってしまった。再びあの力を出そうと力むが一向に変化がない。何時も通りの状態に戻ってしまったようだ。
「お父さん、急にさっきの光が出なくなっちゃったよぉ!」
「え、マジ!? やったね、これで俺が主役に舞い戻れるってもんだぜ」
相変わらず肝の小さい発言であった。そう言っている間にも回りには続々と殺人メイド達が押し寄せて来る。しかもこいつら全員例の魔法が使える厄介な奴等だった。
流石に魔導師程の能力はないまでも結界を張られるのは少々厄介だった。何せ初撃で倒せないのだから。
「銀ちゃん、このままじゃ福袋ネ!」
「それを言うなら袋叩きな! 後袋小路もあってるみたいだぞ」
等と言ってはみるが状況はやっぱりやばかった。下手にメイド達を突っ切ろうものなら例の拘束を受けてしまうだろう。かと言ってこのまま無駄に戦い続けていても体力の消耗にしかならない。結構やばい状況であった。
「銀ちゃん、どうするネ!」
「決まってるだろ! こう言う時の脱出方法は只一つしかねぇだろうが!」
銀時がそう言うと猛然と突進した。目の前に立つ殺人メイド達を次々に打ち倒していく。銀時が立案した作戦は一点突破だった。
下手に時間を掛ければ相手に拘束されてしまう。ならばそれよりも前に此処を抜け出せば良い。そう考えていたのだ。
「おらおら、退け退けぇ! 俺ぁ攻めの女は好きじゃねぇんだよ!」
「退くアルゥ! そして酢昆布1年分持って来いやぁ!」
無茶苦茶な事を言いつつも銀時と神楽の二人で敵を薙ぎ倒しつつ前進する。そのスピードは半端じゃなく速く、中々拘束が出来ずに居た。
やがて、メイド達の包囲網の先が見えて来た。もうすぐ、もうすぐこの包囲網から抜け出せる。そう思いスパートを掛けて走った。
包囲網を抜け切った銀時達を待ち受けていたのは、設置型のバインドトラップだった。
「げぇっ!」
その存在に気付いたのだが時既に遅し。一度走り出したら止まれない青春の様にトラップ内に入ってしまった銀時達全員が揃って雁字搦めに拘束されてしまい地面に倒れ伏してしまった。
「貴方達が一点突破を試みる事は既に理解しておりました。それ故にこうして包囲網の範囲外にトラップを仕掛けさせて頂きました」
相変わらず覇気も何も感じさせない無感情な言葉が銀時の耳に入ってくる。
「畜生、これ解くアル! 罠を仕掛けるなんて卑怯アルよ! お前等影牢でもやってるつもりアルか?」
「おいぃぃぃ! っつかお前等重いんだけどぉ! マジで退いてくんない? 特に定春!」
今の所銀時を一番したにして、その上に神楽、定春、なのはの順に倒れている積み重ね形式の状態で更にバインドが施されて身動きの出来ない状態に仕上が
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