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駄目親父としっかり娘の珍道中
第55話 幾ら時が経とうと会いたくない奴に会うとテンションが下がる
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よ。死んでしまうとは情けない」
「うっせぇんだよ! 主人公が死ぬか生きるかって時に一々ボケてるんじゃねぇよ!」

 それが最期の言葉となるだろう。後数秒もすれば銀時の頭蓋は粉々に打ち砕かれ、目の前には一人の侍の骸が出来上がる。それを新八も、神楽も、なのはも、定春も只黙って見守るしか出来なかった。

(死ぬ、お父さんが……死ぬ?)

 その時、なのはの中で時間が止まる感覚に見舞われた。全てがスローモーションで動いているように見えている。目の前に展開される銀時の確実な死。そしてその後に起こる事は、回りに居るからくりメイド達の手により自分も、そして仲間達も皆殺される確実な光景だった。

(お父さんが死んで、新八君も、神楽ちゃんも、定春も、皆死ぬ……)

 なのはの中で鼓動が大きく鳴った。彼女の中心にある魂が鼓動を起こしているのだ。そして、その鼓動に感応するかの様に、青い宝玉が再び輝きだした。

(嫌だ! 死んで欲しくない! お父さんにも、神楽ちゃんにも、新八君にも、定春にも、皆私の大事な人達なんだ。皆、皆死んで欲しくない! 誰も、誰も死んで欲しくない! 誰も殺したくない! 死なせたくない!)

 強く、ただひたすらに強く願った。その刹那だった。なのはの体内にあった青い宝玉の輝きがより一層強さを増す。そしてその輝きは、その青い宝玉を中心に体全身へと駆け巡り、両腕に眩いばかりの光を集めて行った。
 その後の事は分からない。気がつけばなのはは大きく両腕を振るっていた。先ほどまで腕一本動かせないほどに雁字搦めにされていたと言うのに、その拘束が一人でに破壊されていたのだ。
 神楽のも、銀時のも破壊されている。そして、回りを見ればくりんちゃんは後方へと飛び退いており、周りから跳びかかってきた他のメイド達は皆真っ二つに切断されて機能を停止させていた。
 切断面が真っ赤に染まっている。高熱を誇る何かで一気に切り裂かれたとしか思えない。

「なに? 何が起こったの?」
「なのは、お前……」

 銀時が真っ青になりながらなのはを見ていた。その視線に気付き、なのはは自分の体に異変が起こったのか確認をした。体に異変はない。だが、両腕が違った。彼女の両腕には眩いばかりの光が集まっており、その光が長く伸び、まるで剣の様な形を象っていた。恐らくこの両腕に展開された光の剣で先の拘束を打ち破り、からくりメイド達を跳ね除けたのだろう。

「え? 何これ、何で私の腕が光ってるの?」
「間違いないですの! その力を使えると言う事は、貴方は此処の人間じゃないんですの!」

 驚きの中に居るなのはに向いくりんちゃんが意味深な発言をしてきた。その発言になのはは驚愕する。

「え? どう言う事なの? 私は江戸で生まれたんじゃないの?」
「この世界で生
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