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駄目親父としっかり娘の珍道中
第55話 幾ら時が経とうと会いたくない奴に会うとテンションが下がる
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り一面を破壊し尽してしまった。その光景を目の当たりにした銀時と新八は思わずあんぐりと口を大きく開けてしまった。

「おいぃぃぃ! あれの何処が家政婦だぁぁ! あれも兵器じゃねぇか! メイド服にマシンガン持っててもおかしくねぇ性能だぞありゃぁ!」
「お父さん、そんな事よりどんなパンツの柄だった? キャラ物だった?」
「お前が使うにゃ10年早い大人の柄だったよ!」

 やはりなのはは何処か観点がずれてるような気がする。そう思いながら銀時は大声で怒鳴った。

「因みに彼女の仇名は【くりんちゃん】と言い、余りの潔癖症が故に購入者から【マジでうざいんですけど、ってかマジでうざすぎてwrt。略してマザワ】とクレームをつけられ返品され、現在は研究所の清掃活動を主としていますが、度々私の額のホクロをゴミと勘違いして掃除しようとする馬鹿です」
「銀さん、彼女がたまさんをホクロビームって苛めてた張本人ですよ」

 新八が叫びながら後ろを見る。後ろでは例のメイドがクレーターの出来た地点から一歩も動かずにこちらに向けてモップを構えていた。

「逃がしませんよぉ、ホクロビーム!」

 またしても失礼な発言をするくりんちゃん。その時だった。くりんちゃんの足元に突如見覚えのある魔方陣が展開される。

「ぎ、銀さん! あの魔方陣、まさか!」
「おいおい、悪い冗談だろぉ?」

 青ざめながらもチラリと後ろを見る。が、やはりそうだった。くりんちゃんの足元にはやはり見覚えのある魔方陣が展開されていた。
 そう、かつて銀時達が海鳴市に行った際に向こう側の魔導師達が頻繁に使ってた魔法陣とほぼ同じ形をしていたのだ。

「お掃除、ですのぉぉぉ!」

 叫ぶくりんちゃん。そして、モップの穂先から数発の魔力の篭った弾丸が発射された。
 放たれた弾丸は凄まじい速度で銀時達目掛けて突っ込んで来る。

「う、嘘ぉぉぉ!」

 魔力弾はそのまま銀時の乗っていたスクーターに命中。スクーターはその場で爆発四散し、その勢いの為か銀時、新八、神楽、なのは、定春達は空中に巻き上げられた後に地面に叩きつけられた。

「いちち、おい! 大丈夫かお前等?」

 痛みを物ともせず立ち上がりまわりを確認しようとする銀時。だが、立ち会った刹那、銀時の体を無数の光り輝く鎖が絡め取っていった。

「銀ちゃん!」
「お父さん!」

 その横で神楽となのはが叫ぶ。が、その二人と定春にもまた同じ様に鎖が絡みつき動きを封じてしまった。

「銀さん!」
「来るな新八! お前も動けなくなるぞ!」

 只一人遠くへ飛ばされた新八は拘束を免れていた。だが、状況は最悪だった。常人離れした破壊力を持ち、更には異世界で出会った魔法を使う殺人メイドが銀時達を追い詰めていたのだ。
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