紅蓮色の戦慄
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を崩さず肩を竦めた。
「ひどいなぁ、私は一応、戸籍上ではお前の父親だよ?」
「戸籍上の話だろ。オレはお前も母さんも親だなんて認めねェ」
「・・・あの事を根に持っているのなら謝るよ。お前には酷い事を・・・」
「違ェんだよクソがッ!」
ガン!と。
近くの椅子が思いきり蹴飛ばされた。
椅子は壁に直撃して、そのまま形を崩して床へと落ちる。
怒りに体を震わせながら、アルカは叫んだ。
「んな事はどうだっていいんだよ!オレの事なんざどうだっていいんだ!俺が言いてェのはな、姉貴の事なんだよ!テメェ等が連れて行った姉貴の!テメェ等は姉貴の葬式に来なかった!親を名乗るなら何で来なかったんだよ!」
ミレーユ・イレイザー。
それがアルカの姉の名だった。
ルーシィと同じ星霊魔導士であり、日の出の依頼を受けてエバルーに殺されている。
「ミレーユの葬式?・・・ああ、そういえば出てなかったね」
「姉貴はテメェの娘だろ!?親名乗るなら姉貴の墓行って手ェ合わせてきやがれ!」
自分の中に溜まった苛立ちや怒りを全て声に混ぜ合わせ、ぶつける。
だが、その怒りや苛立ちはエストには届かない。
「・・・ミレーユは邪魔な娘だったよ」
「は・・・?」
ポツリと呟かれた言葉に、アルカは思わず呆然と目を見開く。
ナツ達も言葉を失う。
キャトルとパラゴーネは何も言わない。
その空気に気づいているのか否か、エストは続けた。
「私達が暗殺依頼を受けるのを、彼女は反対してね・・・家族だから殺したくはなかったが、シグリットはミレーユを許さなかった。だから受けてもらったのさ・・・正規ギルドとしての、最後の依頼を」
冷たい何かが、背筋を走る。
アルカの体が、怒りとは違う意味で震え始めた。
「まさかエバルー公爵が本当にミレーユを殺すとは思わなかったけど、結果的に私達のギルドは大きく成長出来たんだよ」
薄く笑みを浮かべ、エストは語る。
震える声で、アルカは紡いだ。
絶対に認めたくない、父親が語った事実を。
「そ、それって・・・姉貴があの依頼に行ったのは、偶然じゃ・・・ねェって事か?最初から・・・仕組まれてたって言うのかよ!」
最後はもう、投げやりだった。
ありったけの感情を詰め込んだ声を、声のままに投げ付ける。
「ああ」
そして―――――エストはそれを肯定した。
1番認めてほしくなかった事を。
よりにもよって、息子の前で。
「――――――っ!」
「アルカ!」
一気にズタズタにされた気がした。
どんな魔法を受けて喰らった痛みよりも大きく、深い傷が一瞬で刻み込まれる感覚。
慌ててミラが支えてくれなかったら、アルカは膝をついて
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