As 13 「終焉の始まり」
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月村とバニングスを見送った後、俺達はシグナム達と共に屋上へと移動した。
俺の目の前にはシグナムとシャマル、やや後方には高町とテスタロッサがいる。ヴィータはというと、未だにはやての元に残っている。だがすぐにこちらへ来るだろう。
「……はやてちゃんが闇の書の主なの?」
「ああ……そもそもはやてが主でなかったなら、今日ここで俺達はシグナム達と会ってない」
誰かに言ったのかは定かではなかったが、俺は肯定の言葉を口にした。少女達の方へ振り返ってみれば、信じたくないといった表情が浮かんでいる。テスタロッサは、顔から察するに俺がどちら側なのかというのが気になっているようだ。
「あの……ショウは……」
「俺は……」
「我々の敵だ」
はっきりと放たれた言葉に、俺達の視線はシグナムの方へ集まった。
この前のように弱々しい表情は浮かべられていない。彼女の中で、俺は完全に敵だと認識されたのだろう。もう手加減をさせるようなことはない。下手をすれば……だがそれでも。
「えーと……話が見えないんだけど」
「俺ははやてと繋がりがあったんだ。そしてはやては闇の書の主。俺の立場が管理局側なのか、あちら側なのか気にならなかったの?」
「あっ……えっと」
「シグナムが言ったとおり、俺は彼女達の敵だよ」
高町達の味方だとは言わない。いや言えない。浮かべられた表情から察するに、彼女達は俺のことを信じてくれていた。だが俺はそれを裏切るような真似をずっとしてきてのだ。自分から味方なんて口が裂けても言えるはずがない。
ゆっくりと視線をシグナム達へと戻し、はっきりとした口調で告げる。
「シグナム、それにシャマル。蒐集をやめてはやてと一緒に過ごしてくれ」
「……ひとつ聞くが、主はやてを救う術はあるのか?」
「…………」
「ならばこの前と答えは変わらん。我らの悲願はあと少しで叶うのだ。邪魔をするのであれば主の友人だろうと……お前であろうともう容赦はせん」
いやに音を響かせながらシグナムは剣を引き抜いた。明確な敵意のある瞳をこちらに向けている。
「ショウくん、君ははやてちゃんのことが好きよね。なのに何で邪魔をするの? はやてちゃんが死んじゃってもいいってことなの?」
「そんなはずない!」
声を上げたのは俺ではなく高町だった。彼女はその勢いのまま続ける。
「ショウくんのことを話すはやてちゃんは本当に嬉しそうだった。ふたりの間には強い絆があるんだって分かるくらいに。それはきっとショウくんの中にもあるはず!」
「それくらい私達だって分かっているわ」
「だったら何で死んじゃってもいいなんて言うんですか! はやてちゃんと会ったばかりの私でさえ救いたいって思ってるんです。ショウくんがそんな風に思ってるわけない!」
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