As 13 「終焉の始まり」
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へ手を伸ばす。
理解しがたい行動だと思ったのもつかの間、シャマルが力強く腕を引っ張ると突如テスタロッサが現れた。予想になかった事態に俺とテスタロッサは共に驚愕する。とはいえ、思考を止めれば魔力弾がテスタロッサを襲ってしまう。俺は必死に魔力弾を別の方向に誘導した。
「お前達はシャマルを侮りすぎだ」
「――っ!?」
わずかな隙を見逃すことなく、シグナムはテスタロッサに一閃。テスタロッサは持ち前のスピードでかろうじて防御することができたが、浮遊していたこともあって吹き飛ばされた。シャマルから遠ざけようとしたのか、テスタロッサを飛ばした先には俺がいる。魔力弾に意識を向けていたこともあって、テスタロッサと衝突した。
「う……」
「ぐっ……」
鈍い痛みを感じるが一刻も早く体勢を立て直さなければならない。俺はテスタロッサの腹部に手を回し、剣を地面に突き刺すのと同時に両足の踏ん張りを利かせる。一瞬と呼べそうな時間、周囲に摩擦音が響き渡る。俺達は、どうにかフェンスを突き破ることなく静止することができた。
「テスタロッサ、平気か?」
「う、うん……さっきの魔法だけど」
「おそらく転移系の魔法……転送というよりは取り寄せる感じのものかな」
「だとすると厄介だね……もしかしたら」
テスタロッサが言いたいのは、リンカーコアを対象にしても使えるんじゃないかということだろう。だが
「可能性はあるけど、今は無理だと思う」
「根拠は?」
「俺を狙わずに君を盾にしたからだ。リンカーコアを対象にできるとしても、それなりに条件があるんじゃないかな。例えば、バリアジャケットが破損しているとか」
「……うん、充分に考えられると思う」
俺とテスタロッサは互いに構え直す。
シャマルに攻撃性はあまりないが、転移魔法の使い方やサポート能力から考えて充分に脅威だ。シグナムに関しては言うまでもない。
2対2であるが個々の戦闘経験、仲間との連携から考えて総合力はあちらが上だ。ここにいるのが俺ではなくて高町ならば、テスタロッサとの連携も格段に良くなるため違ったのだろうが……。
とはいえ、高町はヴィータを相手している。交代しようとしても、ヴィータは俺との戦闘を避けかねない。3対3という状況になれば、俺がより足手まといになって状況は悪化するだろう。こんなことならば、もっと内容の濃い戦闘訓練を積んでおくべきだった。
「大丈夫だよ」
「……この状況でよくそんなことが言えるね」
「うん、だって諦めたら勝てないけど今のショウには強い想いがあるよね。ショウが諦めないなら私も諦めるわけにはいかない、って思えるから」
「……俺は」
続きを口にする前にテスタロッサは、言わなくていいと言わんばかりに首を横に振った。
「大切な人
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