暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 13 「終焉の始まり」
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。止めてみせる!」

 互いが同時に前進し始めた。俺とシグナムとの距離は瞬く間に縮まり、彼女と視線が重なる。
 迷いのない一撃が放たれる。それに対して、こちらも上段から斬り下ろす。交わったふたつの刃は、甲高い音を響かせた。
 競り合う形になったものの、体格や筋力の差もあってか徐々に押されてしまう。

「夜月、相手がお前であろうと手加減するつもりはない。斬り捨てる!」
「ああ……」

 シグナム、お前は俺と友達になれたかもしれないって言ったな。だけど友達はなろうと思ってなるものじゃない。互いに相手のことを大切に思えるようになっている、と自覚したときにはすでに友達なんだ。
 お前は何度も俺の身を案じて身を引くように言ったくれたよな。俺に稽古をつけてくれたよな……。

「そうでもしない限り、俺は何度だってお前と剣を交える……友達としてお前を止める!」
「――っ……お前は敵だ!」

 生じた迷いを振り払うかのように、シグナムは強引にこちらの剣を弾き飛ばした。
 体勢が崩れて行く中、切り返された刃がこちらへと迫ってくるのが見える。剣で防ごうとすれば、結果的により体勢が崩れることになるだろう。

「あなたの相手は、ショウだけじゃありません!」

 魔法を使って防ぐしかない、と判断を下そうとした瞬間、頭上に鎌を振り上げているテスタロッサの姿が見えた。シグナムもそれに気が付いたようで、攻撃をやめて鞘を振り上げた。耳障りな衝撃音が鳴り響く。
 体勢を立て直し再度シグナムに仕掛けようとした瞬間、ふと彼女の背後にいたシャマルが視界に映った。シャマルの瞳には普段の優しい色はなく、何かを狙っているように見える。
 俺はシグナムへ向かっている。彼女の力量を考えれば、テスタロッサとの競り合いをやめることは可能のはずだ。その上で純粋な戦闘タイプとは思えないシャマルが取る行動は……。
 脳裏に浮かんだ答えが当たっている確証はなかったが、俺は適当な方向に向かって高速移動魔法を発動させた。何をやっているんだ、といった視線を向けた者もいたが、シャマルだけは違った反応を見せる。予想通りバインドか何かを仕掛けていたようだ。
 ――個々の戦闘能力じゃ俺やテスタロッサよりもおそらくシグナムが上だ。シグナムの一撃の威力を考えれば、防御力の低い俺達にはどれも致命傷。まとも受ければ一撃で倒れる。シャマルをどうにかしなければ……
 カートリッジをリロードしながら魔力弾を生成。これまでの魔力弾よりも一回り大きく、数も多くなっている。扱いきれるかという不安を強い想いで押し殺し、シャマルへと導いていく。

「ショウくん……私もヴォルケンリッターなのよ」

 シャマルは飛来する魔力弾に怯む様子は見せず、手にしているデバイスで大きな輪を描いた。そして彼女は、輪の内側
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