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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 13 「終焉の始まり」
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高町もそれに答えるつもりらしい。この場に残っているのは俺とテスタロッサ。敵対する側はシグナムとシャマル。
 数は同じだが、あちらは数多の戦闘経験がある騎士達だ。シャマルは戦闘向きの魔導師ではなさそうだが、油断は禁物だろう。

「……シャマル、お前は離れて通信妨害に集中しろ」
「……相手はふたりいるのよ?」
「彼らとはそれぞれ剣を交えたことがある。力量は分かっているつもりだ。勝てない勝負を今するつもりはない」
「……本気なのね?」
「ああ……それに蒐集を行うと決断したのは私だ。お前は戦闘向きではないし、ヴィータは夜月とは戦えんだろう。主の存在がバレてしまった以上、手加減するわけにもいかない……十字架は私が背負う」
「……分かったわ。だけど私は、あなたの力を信じてるわ。それに、たとえ十字架を背負うことになったとしても、あなただけに背負わせたりなんかしない」

 シャマルは後方に下がりながらバリアジャケットを身に纏った。
 俺はテスタロッサの近くへと移動し着地する。彼女と視線が重なるが、俺と同じ想いでいてくれているのか力強く頷いてくれた。俺達の視線はシグナムへと向く。

「シグナム、闇の書は悪意のある改変によって壊れてしまっています。今の状態で完成させてしまっては、はやては……」
「お前達があれをどう決め付けようと、どう罵ろうと聞く耳は持てん」
「そうじゃない、そうじゃないん……!」
「聞く耳は持てんと言った! 邪魔をするのなら――」

 シグナムの身体を炎のような魔力が包み込み、衣服が徐々に戦闘用のものへと変わっていく。剣を振り上げ、振り下ろす形で構えると包み込んでいた魔力が霧散する。

「――斬り捨てるのみだ!」
「っ……」

 言葉では無理だと悟ったのか、テスタロッサもバリアジャケットを展開した。ただ普段とは違ってマントはなく、両手足には魔力翼が確認できる。

「薄い装甲をさらに薄くしたか……」
「その分、速く動けます」
「緩い攻撃でも……当たれば死ぬぞ?」
「あなたに……勝つためです」
「……夜月といい、お前といい。……こんな出会いをしていなければ、私達は良き友になれていただろうにな」

 シグナムは俯きながら鞘を出現させ、流れるような動きで剣を納めた。

「まだ間に合います!」
「……止まれん」

 そう静かに発せられた次の瞬間、彼女の頬を涙が伝った。それを見た俺とテスタロッサは、彼女の言葉に耳を傾ける。

「我ら守護騎士……主の笑顔のためならば、騎士としての誇りさえ捨てると決めた。この身に代えても救うと決めた……」

 シグナムの剣から薬莢が排出され、足元に魔法陣が出現。彼女は涙を隠そうともせずに顔を上げる。

「こんなところでは、止まれんのだ!」
「……いや、止める
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