As 13 「終焉の始まり」
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いた高町を突き飛ばし、防御魔法を展開。衝突と同時に光と音が発生する。
ピンポイントに魔力を集めて展開したため撃ち抜かれることはなかったが、衝撃に耐えられず俺の身体はフェンスを突き破って宙へと投げ出された。
浮遊感を覚えたのもつかの間、地面に向かって加速し始める。それとほぼ同時にふたりの少女が俺の名前を呼んだのが聞こえた。
「…………純粋な話し合いは無理か」
半ば分かっていたことだが、出来ることならシグナム達と剣は交えたくない。だがシグナム達に俺の言葉を聞く意思はないようだ。ならば……
俺の意思を読んだかのように胸ポケットががさがさと動く。中にいた人物は、ひょこっと顔を出したかと思うと外に飛び出す。
プラチナブロンドの髪と青い瞳、端正な顔立ちが目を引く。戦闘用とも言えそうな黒のドレスを身に纏っていることもあってか、白い肌がより際立って見える。
「マスター」
「ああ、行こう――ファントムブラスター・ブレイブ」
セットアップと発言するのと同時に、身体を漆黒の光が纏わりついていく。
それが収束するにつれて、ぴったりとした黒のレザーパンツ、同じく黒のロングコートが身を包む。漆黒の球体を中心にやや大振りな両刃片手直剣が形成されていく。
従来ならばここまでだが、相棒は生まれ変わっている。可能な限り小型化されたカートリッジ、それが入ったマガジンが出現。それを手に取り、剣の側面に装着してリロードする。
「……重いな」
無意識に発していた言葉は、カートリッジシステムが追加されたことによる重量の変化だけを差しているわけではない。
カートリッジシステムの導入は現時点では危険性の高い行為。ファラの場合、一般とは違った仕様だけにレイジングハート達よりも危険性は高かったかもしれない。
だが彼女の修復を行ってくれたシュテルやマリーさんを責めるつもりはない。
少し前の俺だったならば違ったかもしれないが、ファラは人間らしく扱うだけでなくデバイスとしても扱ってほしいと言っていた。カートリッジシステムの導入も彼女が望んだことだと聞いた。
自分自身のことよりも俺のことを想ってくれての決断であるのだから、もちろんファラを責めるつもりはない。そもそも俺が強かったならば、彼女にそんなことをさせる必要はなかったのだから。
〔マスター……〕
〔大丈夫。上手く扱ってみせるさ〕
そう……俺が失敗しなければファラを危険にさらすことはない。だからといって気負いすぎるつもりもない。気負えば結果が悪いものにしかならないのだと、はやてとの一件で理解しているのだから。
全員の姿が見える位置まで空を翔る。
高町やテスタロッサは安堵や喜びの表情を浮かべるが、シグナム達の顔はそれとは対照的なものだった。デバイスの形状が若干と
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