暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep53『桜』それは出逢いと旅立ちを告げる花〜Last testament〜
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「終わっちゃった・・・」

純白の玉座に座する女性が残念そうに呟いた。3rdテスタメント・シャルロッテだ。そんな彼女に「お疲れさまでした」と労いの言葉を送る5thテスタメント・マリア。

「ん、ありがとう、マリア」

シャルロッテは微笑みながらマリアへ感謝を告げ、スッと玉座から立ち上がり歩き出す。彼女が向かう先、そこには漆黒の玉座に座する4thテスタメント・ルシリオンが居る。ルシリオンはそんな彼女に気付き、組んでいた腕と足を解き、俯いていた顔を上げる。シャルロッテはルシリオンの玉座のひじ掛けに座り、そして口を開こうとしたが先にルシリオンが言葉を紡ぎ出す。

「・・・約1万年の界律の守護神(テスタメント)、お疲れ様、シャルロッテ」

「ありがとう、ルシリオン。私はここまでだけど、ルシリオンはまだ続くんだよね・・?」

「ああ。堕天使エグリゴリが見つからない以上、もうしばらく現状のままだ」

「大変だね・・・。その、さ、フェイトと対人契約した分身体のことなんだけど・・・」

意を決したように本題を切りだすシャルロッテ。

「私は何も心配していないよ。あの優しい子たちと過ごせるのなら、残った私の分身体はきっと幸せにその余生を過ごすだろう」

「そ、そうじゃなくて! だから、私は・・・貴方のことが、その・・・心配で・・」

最後の方は声がしぼんでいき、ボソボソと呟きになっていた。しかしルシリオンにはしっかりと届いており、彼はひじ掛けに座るシャルロッテへと視線を移す。

「・・・大丈夫だよ、シャルロッテ。私はもう大丈夫だ。だから、心配せずに旅立ってくれ」

綺麗な満面の笑みをシャルロッテへ向かるルシリオン。彼女は少し赤面して、小さく「うん」と頷き、ルシリオンの前へ移動。そしてそっとルシリオンにキスをした。唇を離したシャルロッテは満面の笑み。

「それじゃ、そろそろ行くね・・・。さようなら。またどこかでね、私の初恋(ルシル)

「ああ。さようなら。またどこかで会おう、私の憧憬(シャル)

それが、2人が交わした最後の会話。
“神意の玉座”より3rdテスタメント・シャルロッテの姿が消える。彼女は新たな人生を歩むために、無限と存在するどこかの界律(せかい)へと旅立った。

「行ってしまいましたね、シャルさん」

主を失くし空席となった第三の力の玉座を見て、マリアがルシリオンへ向けてそう声を掛けた。

「ああ・・・そうだな。もし願って叶うなら、今度は争いとは無縁な人生を歩んでほしい」

ルシリオンはそう祈った。今度こそ平和な世界でシャルロッテが過ごせるように、と。
そして、彼に届く新たな契約。

「・・・さて、もう少し頑張るとしようか」

ルシリ
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