暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep50貴女が思い描いた物語の果て〜Ace of Aces〜
[10/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ッセル”を構え直して私を見詰めてくる。

「なのは、あなたが止めてあげて。今、彼女を止めることが出来るのはあなただけ。優しいあなたに背負わせたくはないけど、お願い、世界を守れるのはあなただけなの・・・!」

『行きますよ、エースオブエース!!』

――神速獣歩(ゲパルド・ラファガ)――

姿がかき消えて、一瞬で間合いに入られた。振り下ろされる“シュリュッセル”を“レイジングハート”の柄で受け止める。火花を散らしながらの拮抗。私の真正面に居るセレスさんが吐血する。でも浮かべているのは笑み。それを見て泣きそうになる。

「どうして・・・どうして・・・どうして!?」

そんな叫びと一緒にセレスさんを押し返す。セレスさんは簡単に離れて、でもすぐさま“シュリュッセル”を横薙ぎに振ってきた。私はバックステップで避けて、“レイジングハート”を向けようとする・・・けど。

「なのは!!」

世界を守るために友達を討つ。迷い、戸惑い。それが私の動きを堅くした。そんなのお構いなしに攻撃を加えてくるセレスさん。私は防戦一方になる。

『誰からも頼られるエース。その頂点に君臨するエースオブエース。あなたが幼い頃からその細い肩に押しつけられた称号。辛かったでしょ? 才能があったから、常に頼られ、常に期待され、常に羨望を受けたあなた。逃げたかったのではないですか、そのプレッシャーから』

「聞いちゃダメ、なのは!!」

何度も振るわれる“シュリュッセル”を何とか防ぎきる。頭の中に響いてくるセレスさんの声。シャルちゃんが何か言ってる・・・?

『エースとして戦場に送り込まれ、戦い、傷つき・・・墜とされ。空で戦う以上、常に死と隣わせ。墜ちればそれで終わり。今度は死ぬかもしれない。あなた、本当に続けられるの? 愛娘のヴィヴィオを独り残して・・・?』

――なのはママぁぁぁーーーーっ!――

ヴィヴィオの顔が思い浮かんだ。私が居なくなってしまった時、泣き叫ぶヴィヴィオの顔が。一瞬動きを止めてしまい、隙となる。強い斬撃によって弾き飛ばされて尻餅をつく。セレスさんの何度目かの吐血。それでもセレスさんは笑みを消さない。

『私が、争いをこの次元世界から失くす。あなたや他の魔導師が戦場に2度と立つことが無いように、これ以上の犠牲者が出ないように・・・! そう、家族を失う悲しみと憎しみを背負うのはもう私だけで十分ッ!』

「「っ!!」」

セレスさんの最後の言葉、そこには狂気が一切無かった。あるのは純粋な願い。そう思えた。だからこそ驚いた。セレスさんがハッとして、すぐに狂気の笑みを浮かべ直す。今なら判る。わざとらしく、演技臭い。

「うん、怖いよ、本当はいつも怖かった。みんなに希望を与える名エースオブエース。負けられない、負けちゃ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ