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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
13.無人島の王女
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た兵士たちを薙ぎ払う。
閃光の正体は銃弾。たった二発の銃弾が包囲網を破ったのだ。
「二人とも、無事ですか」
緊張感のないおっとりした声が、近くの岩壁から聞こえる。
そこには美しい銀髪の少女。叶瀬夏音に似た顔立ちの少女。
彼女の手には、金管楽器にも似た美しい装飾の巨大拳銃が握られている。
「呪式銃──!?」
彼女の拳銃の正体に気づいて、雪菜が驚く。
「今のうちにこちらへ。早く」
銀髪の少女は優雅に微笑んで、古城たちを手招いた。
「あなたは──?」
「ラ・フォリア・リハヴァインです。また会えましたね、暁古城」
問いかける古城に、銀髪の少女は優雅に微笑んだ。
「どうして俺の名前を?」
「暁古城なのでしょう。日本に出現した第四真祖の」
驚いて訊き返す古城を見て、ラ・フォリアは不思議そうな顔をする。
「ああ……そうだけど……」
「今のが最後の呪式弾でした」
戸惑う古城を放置して、ラ・フォリアは一方的に会話を続ける。
「彩斗、あの
揚陸艇
(
ふね
)
をあなたの眷獣で沈めてください」
聞き覚えのある名に古城は驚く。
「なんだかわかんねぇけど、とりあえず沈めりゃいいんだな」
ラ・フォリアの後方の闇から無気力さが表情に表れる制服を着た少年が右手で頭を掻きながら現れる。
「先輩、来ます」
古城の耳元で、雪菜が警告する。彼女が槍を向けた方向に、新たな兵士たちが見える。
彩斗が右腕を突き出した。溢れ出る魔力が、飛来する銃弾を弾き飛ばしていく。
「──降臨しろ、“
海王の聖馬
(
ポセイドン・ユニコール
)
”!」
彩斗の腕から魔力の波動が出現する。それは
一角獣
(
ユニコーン
)
の姿を形成し、兵士を吹き飛ばす。
彩斗が操る眷獣、“
海王の聖馬
(
ポセイドン・ユニコール
)
”は空を駆け抜けて揚陸艇の上空に到達する。
一角獣
(
ユニコーン
)
が咆哮をあげる。それと同時に揚陸艇周囲の海水が上空へ球体となって上昇する。水を失った揚陸艇は陸に打ち上げられたのと同じような状況。上空の球体を一気に揚陸艇へと叩きつける。
上空から叩き落とされた海水は同時に巨大な津波を起こし、古城たちがいた島の森を飲み込み、そこにいた兵士たちを津波に巻き込み木々もろとも海へと引きづりこむ。
人工的に津波を起こすほどの破壊力。
古城と雪菜は“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の眷獣が“第四真祖”と同等に危険なのだと改めて実感した。
「見事です、彩斗。さすがですね」
「なんかお前楽しそうだな」
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