暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
13.無人島の王女
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きを覚える。視野が赤く染まる。性欲の昂りが引き金となって生じる吸血衝動が発動する。
だが、それと同時に彩斗の体質も同時に発動してしまう。性的興奮又は、恥ずかしくなると通常の人よりも顔を真っ赤に染めてしまうという体質を持っているせいで“ウブ”などとからかわれる。
彩斗は自らの唇を犬歯で噛む。口内に血の味が広がる。
すると吸血衝動はすぐにおさまる。
「ふぅ〜……勘弁してくれよ、俺のことを知ってんなら吸血衝動のことも知ってんだろ」
ラ・フォリアは再び悪戯するように笑みを浮かべる。
「ええ、存じていますよ。彩斗がわたくしでも興奮するのか少々興味がありまして」
「もし俺が吸血衝動に耐えきれずにラ・フォリアを襲ったらどうする気だったんだよ」
救命ポッドから彩斗は出て背伸びをしながらラ・フォリアへと訊く。
「その時は、責任をとってもらうだけですわ」
ラ・フォリアも救命ポッドから出てくる。
あたりはすっかり暗くなってしまっている。どうやら彩斗は朝に無人島についたにもかかわらず椰子の実のハプニングによって起きた時には夜になっていたということになる。
つまり、彩斗は日の出から日の入りまで寝ていたことになる。よほどの疲れが溜まっていたのだろうか。
それよりも気がかりは、彩斗が寝ている間にこの悪戯好きの王女様が彩斗の身体になにかしていないかだ。
あの感じだとラ・フォリアも彩斗と一緒のベッドで寝ていたような気がする。
それに加えるなら彩斗は寝相がかなり悪い。
逆に寝ている彩斗が彼女に何かしたのではないかと心配になってくる。
「それでは彩斗が起きたことですしこちらに来ていただけますか」
ラ・フォリアは彩斗の手を引っ張りながら森の中へと引っ張っていく。
月の光が辺りを微かに照らすが森の中は闇が深い。こんな時、彩斗は吸血鬼の能力は役立つ。
ラ・フォリアに手を引かれて連れて来られたのは島の中心部。
森の木々と霧に包まれた泉。
透明度が高く澄んだ水面からは、無数の石柱が突き出して、美しい光景だ。
「彩斗、ここで誰か来ないように見張っててください」
「はい?」
なんでだよ、と言おうとした瞬間に目の前の少女はあろうことかブレザーを彩斗の前で脱ぎ出した。
「なにしてんだ、ラ・フォリア!?」
「二日もお風呂に入っていなかったので水浴びをと思いまして」
「だからってなんでこのタイミングなんだよ!?」
「彩斗が眠っている間に行くこともできたのですが……」
ラ・フォリアはそこで言葉をきる。何も聞こえない沈黙の中でラ・フォリアの服を脱ぐ衣擦れの音だけが響く。
「覗いてもいいですが見張りは忘れないでくださいよ」
「覗かねぇよ!!」
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