暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
天使炎上篇
13.無人島の王女
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ッドは王族の救命ポッドと瞬間的にわかるような恐ろしく豪華な仕様になっている。
「王女様はどうしてこんな無人島にいるんですか?」
ラ・フォリアからもらった非常食を囓りながら、彩斗は訊く。
すると、彼女は少しムッとした顔をする。
「ラ・フォリアです、彩斗。殿下も姫様も王女も聞き飽きました。せめて異国の友人には、そのような堅苦しい言葉で読んで欲しくありません」
「わかったよ、ラ・フォリア。……ってなんで俺の名前を知ってんだよ?」
「あなたのことはよく知っています。緒河彩斗、“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”の力を継いだ少年ですよね」
「別に継ぎたくて継いだわけじゃねぇけどな」
そっか、短く彩斗はため息をついた。絃神島から離れたアルディギア王国にまで自分の名が届いてしまっていることに彩斗は複雑な気持ちになる。
「で、なんでラ・フォリアはこんな無人島なんかに?」
空腹がまぎれた彩斗は先ほど流れた本題を訊き直す。
「絃神市を訪問する途中に、船が撃墜されたのです」
「撃墜……!?」
「おそらく、わたくしを拉致するためでしょう」
ラ・フォリアはかすかに目を伏せて頷いた。
飛行船からラ・フォリアは救命ポッドに押し込まれ、海に落ちた。
そして洋上を二日あまり彷徨って、この無人島にたどり着いたらしい。
その話に彩斗は気がかりなところがあった。別にラ・フォリアの話におかしなところがあったのではない。彩斗をこの島へと案内した黒髪の少女が残した最後の言葉が気がかりなのだ。
「絃神島の反対側から入ることをお勧めする」という言葉。それはまるでラ・フォリアがそこにいることがわかっていたように彩斗をそこへと誘導したことになる。
だとすると彼女の正体はなにものなのだろう。
「彩斗、聞いていますか?」
綺麗な碧い眼が彩斗の目と合った。
それもわずかに五センチくらいの距離にラ・フォリアの顔はあったのだ。
驚きで彩斗は後方へと慌てて後退する。すると勢い余って椰子の木に頭をぶつける。
「痛っ!」
木にぶつかった衝撃に悶える。
続けてぶつかった衝撃で椰子の実が見事なまでに頭へと直撃し、彩斗はそのまま意識を失った。
「……ん?」
緒河彩斗は目を覚ました。上空には青い空があったはずだが現在は金色の空になっていた。
どうやら椰子の実が激突して気絶した彩斗をラ・フォリアが救命ポッド内部にあったベッドに運んできてくれたらしい。
狭いながらも立派なベッドの上で寝返りを打つ。
「よく眠れましたか、彩斗」
寝返りを打った先に碧い眼の少女が悪戯をするように笑みを浮かべていた。
その瞬間、顔が熱くなり。犬歯が疼き、喉が干涸らびた乾
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