暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep48私が貴方と望む未来へ往く為に 〜Fate〜
[13/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

今のフェイトは天使と言っても過言じゃない姿だった。防護服はソニックへ。背中から生えるのは私の蒼翼と似た、三対の薄く細長い黄金のひし形の翼。そして頭上には翼と同じ黄金の雷光で構成された円環。
フェイトの閉じていたまぶたが開き、薄く光る真紅の双眸で私を見据える。結っていた金糸の長髪も解け、ゆらゆらと揺らいでいる。美しい。今のフェイトを見て、ただそんな単語しか頭に浮かばなかった。

「これが対ルシルのために開発した新魔法、雷天使セインテストフォーム」

私のファミリーネームを冠した空戦形態セインテストフォーム、か。おそらくシャルに協力してもらったんだろう。彼女もまた私の空戦形態を手にしようと頑張っていたから。それにしても雷天使、か。ああ、ピッタリだよ、その姿には。

「ルシル、行くよ・・・!」

「っ?・・・ぐぉっ!?」

フェイトを見失う。その直後、腹に突き刺さる衝撃。真正面からフェイトは突進して、“バルディッシュ”ではなく拳打を繰り出して来ていた。前のめりになる。あまりの衝撃に息が出来ない。すぐさま顎へと掌底が打たれる。今度は反り返る。反撃しようとするが・・・。

「私は、あなたとこれからを生きる為に、絶対に勝つ!」

それより早く、回し蹴りが腹に突き刺さる。耐えきれずにホールの壁へと叩きつけられた。セレスを生かすためにまだまだ力を失っているとはいえ、そんなことは問題にならない。今のフェイトは疾い。そして強い。私が押されている理由は単純にそれだけだ。そして何より負けている理由がある。

「届け・・・私の想い・・・!」

両腕を頭上でクロスさせて、宙返りして踵落としを決めてきたフェイトの一撃を防ぐ。重い一撃だ。
これが最大の理由。私とフェイトでは想いの強さが違う。迷いしかない私では、今のフェイトに勝つのは不可能だ。

(くそ、思い出せ。私の魔術(チカラ)は何のためにある? 何のために手に入れた?)

――それは大切な存在(ひと)を守るため――

フェイトの拳打を上へと飛ぶことで避ける。フェイトの華奢で綺麗な右拳がホールの壁を貫き、大きなクレーターを作り出した。殺す気か、とツッコミたいが、そんな余裕はどこにもない。フェイトは壁から拳を抜いて、私を追ってきた。私は壁を蹴って中央へと飛行する。

(なら、今はどうするべきだと言うんだ? 守るべき存在(フェイト)は敵だ。矛盾だ。守るベきための魔術(チカラ)を使って、守るべき存在(フェイト)を倒さなければならない)

一瞬で私の背後へと移動してきたフェイト。私は魔力で大剣アブディエルを生成し、振り向きざまにフェイトへと叩きつける。が、私のアブディエルはフェイトのカラミティによって一瞬で破壊された。そしてすぐさまドロップキックを胸部に打ち放たれる。床へ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ