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久遠の神話
第九十七話 ラドンその十二
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「使って最後の最後まで闘う」
「その力を望ましいとは思われないのですね」
「強い力を手に入れてか」
「そのことを嬉しいと思われることは」
「確かに嬉しい」
 このことは否定しなかった、加藤も。だがそのうえでこうも言うのだった。
「しかし力は力だ」
「それだけですか」
「それ以上のものではない。闘う為の道具だ」
 それに過ぎないというのだ、彼にとって力は。
「所詮はな」
「あくまで闘うことがですか」
「俺はそれを楽しんでいる」
 あくまでだ、それだけだというのだ。
「強い相手と闘い勝つことは好きだがな」
「それでもですね」
「そうだ」
「闘われますか」
「こうしてな」
 剣を出してだというのだ。
「今もな」
「では」
「今日は何を出す」
「この怪物を」
 こう言ってだ、出してきた怪物はというと。
 顔と胸は女だ、醜い老婆の顔だ。だがその他の部分は鳥のやけに汚れた怪物だった。しかもその数はかなり多く加藤の上を耳に障る声を出しながら飛んでいる。
 その怪物達を見上げてだ、加藤は言った。
「ハーピーか」
「はい」
「これまで以上に多いな」
「今の貴方にとっては特にこれといって問題のない相手ですが」
「数があればか」
「それだけ力になりますので」
 だからだ、相当に出したというのだ。
「この通り」
「そういうことだな」
「では宜しいですね」
「闘えるなら相手は誰でもいい」
 不潔極まるハーピーでも構わないというのだ。
「楽しませてもらう」
「それでは」
 こうしてだった、加藤はというと。
 すぐにだ、空に舞い上がってだった。
 その剣で襲い掛かるハーピー達を倒していく、怪物達も彼を上下左右から襲い掛かるがそれは全くだった。
 加藤に勝てない、しかし一体ではなく。
 次々に襲い掛かり攻めていく、加藤はその怪物達を的確に倒していく。
 闇を刃にして出し遠間にいる怪物を倒し近くにいるものは剣に帯させたそれで倒す、後ろや下、上から来たものは。
 その動きを的確に察し攻撃をかわしてだ。闘牛士の様にかわす際に攻撃を繰り出して的確に倒していた。
 迫ってきた相手は剣を前に出して貫く、そこに闇を注ぎ込んでその中に取り込み。
 そしてだ、消し去って次の相手を倒していく。そうしたことを繰り返し。
 敵を全て倒してだ、地に戻ってから声に言ったのだった。
「終わったな」
「はい、お見事でした」
「確かに楽しませてもらった」
「それでもですね」
「どうもな」
 今の戦いはというのだ。
「もの足りない気がする」
「そうですか」
「しかし今はこれでいい」
 もの足りないものは感じている、だがそれでもだというのだ。
「今度はストリートファイトをしに行く」
「また戦われますか」

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