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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
神明裁判 E
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湖札には一つ、気にしていることがあるのだから。
「そうか、ならよかった。もしそうじゃなかったら・・・あのクズは、本気で消し飛ばさないといけなかったし。」
「・・・確かに、兄さんならやれそうだよね。昔っから、何でも出来ると思ってた。」
「何でもは出来ねえよ。出来ないことだらけだ、今も昔も。」
一輝がそう語る表情には、どこか寂しげなところがあり・・・それが、湖札には昔の一輝の表情と一致して、聞かずにはいられなくなった。
「あの・・・兄さんは、記憶が・・・」
「ああ、神成りを使ったときに戻ったよ。」
その瞬間に、湖札は目の前が真っ暗になった。
だが、それは・・・
「だからって、何か変わるわけじゃないけどな。」
一輝のこの発言で、一瞬で払われる。
「え・・・」
「ん?どうかしたのか?」
「どうかしたかって・・・だって、私は」
「本当の妹じゃない?」
「・・・うん。」
一輝のその一言は、湖札がずっと危惧していたことだった。
自分が一輝の本当の妹じゃない以上、それはこれまでの一輝とともに過ごした時間が無駄になってしまうのではないか。
それが、偽物になってしまうんじゃないか。
そう、ずっと不安だったのだ。
「まあ、確かにそうだな。あの記憶の感じだと、湖札は俺の実の妹じゃない。」
「うん・・・だから、」
「でも、湖札は俺の妹だ。それは変わらない。」
一輝がそういった瞬間に、湖札は信じられないというように顔上げた。
「ん?おいおい・・・なんだよ、その信じられない、見たいな目は?軽く・・・いや、ざっくりと傷つくぞ?」
「あ、ゴメン・・・でも、」
「でもじゃない。じゃああれか?湖札が俺の妹として過ごしてきた十一年間は、そんなことでなかったことになるのか?」
「・・・そんなことはない。絶対に。」
湖札は、はっきりとそういった。
「ならいいじゃねえか。何があっても、湖札は俺の妹だ。頼むから、兄貴をひとり残さないでくれよ?寂しがり屋の、ダメ兄貴なんだから。」
一輝が冗談めかしてそう言うと、
「・・・うん、分かった。お互い最後の家族だもんね。もう二度と、兄さんから離れない。・・・と思う。」
湖札は、そう返した。
「曖昧だな、オイ。」
「いやぁ・・・一応、私も魔王でウロボロスに所属してるから」
ようやく、二人の会話が昔のものに戻った。
「・・・でも、」
湖札の声音が一瞬で真剣なものになり、一輝の胸に右手を当てる。
「湖札・・・?」
「今回のゲーム、アジ・ダカーハが討伐されるまでは、一緒にいれる。」
湖札はそう言いながら、奥義を発動する。
ぬらりひょんから全ての奥義を継承された一輝も知らない、湖札だけの奥義を。
「我は
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