欲望は血に塗れる
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ルとパラゴーネから3歩ほど下がった場所で傍観していたリーダーが口を開いた。
「・・・ルーレギオス君、君は矛盾しているね」
「何が?両親殺されて仇討とうってしてる事のどこが矛盾してるの?」
「違うよ・・・そういう事じゃない」
パラゴーネを押し退け、リーダーは前へと出る。
「君は両親を殺された時の辛さを知っているのに・・・同じ思いを同居人にさせるつもりかい?」
言葉の意味が解らなかった。
数秒言葉を繰り返し、それでも意味が解らない。
リーダーの言葉通りなら、アルカがリーダーの死に辛い思いをする、という事になる。
「生憎だけど、無関係の闇ギルドの人間の死に泣くほどオレはいい奴じゃねェぞ」
「ああ、そうだろうね・・・」
アルカとリーダーが向き合う。
そして――――同時に言い放った。
「「本当に無関係なら、の話だが」」
唐突に、全員は気づいた。
アルカとリーダー・・・この2人の声は、“よく似ている”。
「・・・知っていたのか」
「こっちにゃそれなりの情報網があるんだよ」
リーダーの問いかけに、アルカは感情を全て消し去ったような淡々とした声で答える。
「それなら話は早いな・・・アルカンジュ」
そう言うと、リーダーはフードを外した。
それと同時に――――――真っ赤な髪が、揺れる。
「!」
「え?」
「どういう事?」
「は?」
「なっ・・・」
そこに立っていた姿を見て、ギルドにいた全員が目を見開いて驚愕した。
漆黒のつり目、炎のように赤い髪、整った顔立ち――――――。
「アル、カ?」
ルーが呆然と呟いた。
呼び慣れている名前が、変な箇所で途切れる。
そこにいたのは、アルカにそっくりの男性だった。
アルカがあと20歳ほど歳を取ったらこうなるんじゃないか・・・という程に似た顔立ちの。
「久しぶりだね・・・アルカンジュ」
リーダーは、どこか嬉しそうに微笑んだ。
表情は笑顔なのに、その瞳には深い愁いを浮かべている。
それに対し――――アルカは大きく溜息をつくと、呆れた様子で返した。
「くだらねー事やってんじゃねぇよ―――――――親父」
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