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Element Magic Trinity
欲望は血に塗れる
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ライアーが目を見開く。
彼等も、ルーの両親が10年前に何者かに殺された事は知っていた。
故郷が滅んだ事も、だ。
だが、村人達を殺した存在の名は知らない。
―――――今ここにいない、ティアを除いて。

「おや?他の人達は知らないようだね」
「当たり前だよ・・・ティアにしか話してないんだから」

笑みを浮かべたままのリーダーに、ルーは睨んだまま呟く。

「絶対に許さない・・・絶対に・・・」

何かの呪文のように繰り返すと、ルーは重力の中無理矢理に体を起こす。
愛らしい童顔は消え失せ、その表情は怒り以外の何物でもなかった。


「悪いけど・・・僕が牢屋送りになってでも撃ち抜くよ!」


宣言するように叫んだと同時に、ルーは素早い動きで銃を抜いた。
その銃口に魔力を集め、銃口が光を帯びる。
鋭く前を睨む姿に、リーダーは薄い笑みを浮かべた。

「撃つのかい?私を」
「本当はこんな事したくないし、ギルドを血で汚す気もないんだけどね・・・」

最低限いつもの人格を残したまま、ルーは告げる。
その目に確かな闘志と殺意を浮かべて。
その姿は、どこかティアに似ていた。



「父さんと母さん・・・村の皆の仇は僕が討つ。絶対に!」



力強く言い放つ。
そして――――――銃声が、響いた。






魔法籠手(ガントレット)剣形態(ソードモード)






だが――――その魔法弾は、リーダーには当たらなかった。
リーダーの前に現れた3人目―――――大きな籠手を装備した人物がその籠手の先端部分を剣のように変換し、銃弾を切り裂いたのだ。
見た目的には彫刻具座のカエルムが剣に変形した姿にも似ている。

「我らの統帥には一撃も喰らわせない」
「助かったよ。ありがとうキャトル」
「当然の事をしたまでです、統帥」

両手の籠手の先を剣から元の籠手の携帯へと戻しながら、『キャトル』と呼ばれた少女は答える。
先ほど銃弾を切り裂いた際にフードが外れ、焦げ茶色のボブヘアと少しの幼さを残した顔立ちが露わになった。

血塗れの欲望(ブラッティデザイア)、ギルドマスター直属部隊、暗黒の蝶(ダークネスファルファーラ)の1人、金牛宮のキャトル・・・統帥を傷つけるのは許さん」

ルーシィと同じほどの背の細身の少女が装備するには重そうな籠手を慣れたように扱い、キャトルはどこまでも真っ直ぐな闘志を向ける。
だが、目の前に誰が現れようと、ルーの怒りは止まらないし、抑えられない。

「こう言うと悪人っぽいが・・・僕の邪魔をしないでくれないかな?邪魔するなら・・・君もまとめて撃つ」

わずかに第二の人格を滲ませる。
今は人格なんて気にしていられない。
第一の人格の
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