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Element Magic Trinity
欲望は血に塗れる
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ア》?」


常に明るいトーンの、男にしては高い声によって。
フラフラとした足取りで、ルーは前へと進んでいく。

「ルー?」
「オイ、どうした!?」

明らかに様子のおかしいルーにルーシィが声を掛けるが、答えはない。
続くようにナツが声を荒げるが、やはり返答はない。
今のルーの耳に、彼等の声は届いていないのだ。

血塗れの欲望(ブラッティデザイア)・・・やっと、見つけた・・・」
「ん?」

蚊の鳴くような声でルーが呟く。
パラゴーネが目線をルーへと移した。
そして、俯いていたため見えなかったルーの表情が露わになる。





「お前等かああああああああああッ!」





荒れ狂う叫び。
ギルドの床を力の限り踏みしめ蹴り、ルーはパラゴーネへと向かって行く。
それに対し、パラゴーネはゆっくりとした動作でルーに右掌を向けた。

「重力魔法、Level2」
「っくあ!」

その手に展開された、銀色とも灰色とも取れる色の魔法陣。
重力によって動きを強制的に封じられたルーは、地面にうつ伏せに倒れた。

「リーダー、この男は・・・」
「ルーレギオス・シュトラスキー君だ」
「・・・ああ、あの時の」

ぐるるる、と今にも唸り声を上げそうなルーに目を向けたパラゴーネは首を傾げる。
その問いにリーダーは変わらない調子で応え、納得した様にパラゴーネは頷いた。

「魔法を解けっ!お前等、どのツラさげて僕の前に姿現してんだ!アア!?ティアに手ェ出そうってなら本気でぶっ潰すぞコノヤロウ!」

いつものルーではなく、かといって第二の人格降臨中のルーでもない荒々しい口調に、ギルドのメンバー全員が思わず呆然とする。
だがルーはそれに構わず、叫ぶ。

「僕はお前等をこの10年探し続けた!そしてやっと見つけたんだ・・・絶対逃がしてやんねえよ!この魔法解除して、正々堂々勝負しろやァッ!」

子犬が狼を飛び越え、ライオンへと姿を変える。
今のルーを表すなら、こんな感じだ。
鋭い目つきでパラゴーネを見上げて睨むルーに、リーダーは口を開く。

「落ち着いてくれないか、ルーレギオス君」
「断るっ!大体――――――」
「ああ、君の言いたい事は解るさ」

今にも噛み付きそうな勢いで喚くルーに、リーダーは制止を促すように手を向けた。





「“僕の故郷を滅ぼしてみんなを殺した奴等の命令なんか聞かない”・・・だろ?」





驚愕が走る。
ルーの表情が怒りに歪んだ。

「どういう、事?」
「こいつ等が・・・血塗れの欲望(ブラッティデザイア)が・・・」
「シュトラスキーの故郷を滅ぼし、村人を、殺した?」

サルディアが呆然と呟き、スバルが睨み、
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