#2『教会』
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
に声を掛ける。キュレイとフェラールが近くにいることを知らなかった少女たちが、再び…主にキュレイを見て…黄色い歓声を上げる。
セルニックはキュレイを見ると、助かった、とばかりに微笑んで答えた。
「やぁ、キュレイ。それにフェラール。買い物か?」
「おいセルニック、地味に俺の方が年上だぞ」
「黙っていろガキ大将。……セルニックさんこそ。今日は何をお買い求めで?」
「ガキ……? おい今ガキって言ったな!?」
「いや何、そろそろ《復元魔術百科》の今年度版が出たころだと思ってね。運よく増刊されていたから買ってきたところなんだよ。いやぁ、この完璧な変装なのにどうして俺だとバレるんだろうね」
「おい! 訂正しろ! 俺は大人だ!! お前らより年上だ!!」
「うるさい黙れ。……そうか、《復元魔術百科》、今年度版出たんですね。僕もそろそろ《解体冥所》の最新版発注しないと……最近蛇人間族の治療方法が混乱して来まして」
「ああ〜。接合部分が特に厄介だよね、半人系亜人族は……俺も人魚かまったことあるけどさ、結構難しかった」
「それよりもどうしてセルニックさんは自分の変装が完璧だと思うんです?」
「んん? 完璧だろうドヤァ。次回はサングラスでもかけるかな……」
セルニックとキュレイのマニアックすぎる会話の合間に、しつこくフェラールが喚く。そんないつもの光景を、少女たちが歓声を上げながら見つめる。
《教会》に支配された《箱舟》、《王都》は、一見こんなふうに、平和に動いている。
その下で、どれだけの邪悪がうごめいていようとも。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ